おっとり(読み)オットリ

デジタル大辞泉 「おっとり」の意味・読み・例文・類語

おっとり

[副](スル)
人柄しぐさなどが、落ち着いていてこせこせとしないさま。おおようなさま。「おっとり(と)構える」「良家の出らしいおっとりした振る舞い」
日ざしなどが、暖かく穏やかに感じられるさま。
「白い霜を一度くだいた日が、…往来を―と一面に照らしていた」〈漱石・彼岸過迄〉
[類語]広い寛闊かんかつ寛大寛容寛弘かんこう広量大様おおよう大らかさりげない何気ないそれとなくそれとなしに何心ない遠回し気軽い何とはなし鷹揚おうよう磊落らいらく開豁かいかつ闊達豪胆豪放剛毅放胆大胆太っ腹雅量大量悠揚悠然泰然泰然自若綽然しゃくぜん自若悠悠浩然堂堂正正堂堂毅然肝が据わる腹が据わる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「おっとり」の意味・読み・例文・類語

おっとり

〘副〙 (「と」を伴って用いる場合もある)
① 人柄、態度などが、おおようで、こせこせしていないさま。
※玄武朱雀(1898)〈泉鏡花〉六「何処か鷹揚な、柔みのある、おっとりした眼鼻立のしまった人物で」
② (比喩的に) 日ざしやあたりの様子などがおだやかなさま。
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石停留所「白い霜を一度に摧(くだ)いた日が、〈略〉穏かな往来をおっとりと一面に照らしてゐた」
[補注]高田保「舗道雑記帖‐銀座雑記帳」には「幾分好人物のやうなおっとりさで、歩調を合せながらついてゐたものなのだ」のように、接尾語「さ」の付いた名詞「おっとりさ」の例が見られる。

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