さっぱり(読み)サッパリ

デジタル大辞泉 「さっぱり」の意味・読み・例文・類語

さっぱり

[副](スル)
不快感やわだかまりなどが消えて気持ちのよいさま。すっきり。「入浴してさっぱり(と)する」「思う存分泣いたのでさっぱりした」
いやみのないさま。また、しつこくないさま。あっさり。「さっぱり(と)した味」
あとに何も残らないさま。すっかり。「約束さっぱり(と)忘れていた」「出世などとうの昔にさっぱり(と)あきらめている」
(あとに否定を表す語を伴って)全然。まったく。「さっぱり見えない」「さっぱりだめだ」
[形動]物事状態が、非常に好ましくないさま。「頑張ったのだが、成績のほうはさっぱりだ」
[類語]1清清すっきりすかっと気持ちよい快い快感快楽心地よい痛快小気味よい爽快壮快快適カンファタブルすがすがしいさわやか清新清爽晴れやか晴れ晴れ楽しいうはうはほくほく笑いが止まらない嬉しい喜ばしい欣快きんかい愉快嬉嬉きき欣欣きんきん欣然きんぜん満悦御機嫌朗らか明朗陽気明るい気さく快活楽天的上機嫌晴れ晴れしいぴちぴち生き生き活発からり根明ねあか心が躍る心が弾む心を躍らせる2からっとさばさばあっさり淡泊気さく明朗陽気明るい朗らか瀟洒しょうしゃ清楚楚楚垢抜け灰汁あく抜け洗練こざっぱりすっきりさらり洒落る小洒落た垢抜けるさばけるスマートシック3あっさり淡泊4全く全然まるきりまるで少しも一向にからきしちっとも皆目一切まるっきり何らとんといささかも毫も微塵も毛頭更更何もなんにも何一つ一つとして到底とても全くもってどだいてんで寸分一寸寸毫毫末夢にも元元元来本来大体自体そもそも元より根っから今まで従来年来旧来これまで在来従前古来かねがねかねて常常つねづね間断かんだん延延連綿長長ながなが脈脈綿綿縷縷るる前前まえまえずっと生まれつき生来

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「さっぱり」の意味・読み・例文・類語

さっぱり

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙
    1. ( 「と」を伴って用いることもある ) それまでの気持・気分が晴れて、さわやかになるさま、身なり・衣服などがはででなく、すっきりして清潔なさま、人や物の性質・態度などがいやみなくあっさりしているさま、味が薄くてしつこくないさまなどを表わす語。
      1. [初出の実例]「私もさっぱりと致いて、能(よい)気味で御座る」(出典:虎寛本狂言・呂蓮(室町末‐近世初))
      2. 「小倉服も〈略〉此男のはさっぱりしてゐて」(出典:雁(1911‐13)〈森鴎外〉四)
    2. ( 多く「と」を伴って用いる ) あとに何も残らないさまを表わす語。きれいに。すっかり。きっぱり。きれいさっぱり。
      1. [初出の実例]「夫(それ)成らばさっぱりと元利共にそなたへおまするぞ」(出典:虎寛本狂言・胸突(室町末‐近世初))
    3. ( 下に打消の語を伴って ) まったく。まるで。少しも。
      1. [初出の実例]「敵といふものはさっぱりないはづ」(出典:洒落本・無頼通説法(1779))
      2. 「何だかさっぱりわからなひ」(出典:人情本・英対暖語(1838)二)
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
    1. 気持や気分のさわやかなさま。
      1. [初出の実例]「一杯あびて、さっぱりに成って御膳あがれ」(出典:にごりえ(1895)〈樋口一葉〉四)
    2. まったくだめなさま。
      1. [初出の実例]「戦争中には随分売れたもんですけれどもね。此頃はもうさっぱりですよ」(出典:日本脱出記(1923)〈大杉栄〉外遊雑話)

さっぱりの補助注記

語源は未詳だが、語形語義両面において「さはやか」の「さは」と同根ではないかと考えられる。「さは」の強調語形として促音を挿入し、「は」が半濁音化した「さっぱ」となり、「り」が添加した形と考えられる。

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