デジタル大辞泉 「方」の意味・読み・例文・類語
ほう【方】[漢字項目]
[学習漢字]2年
〈ホウ〉
1 起点から上下左右などに向かう直線の向き。「方位・方角・方向・方針・
2 中心から四方に伸び出た土地。ある範囲の地域。「方外・方言/遠方・地方」
3 上下左右の直線で組み立てた形。四角。「方円・方形・方丈・方眼紙/正方形・前方後円・直方体」
4 まっすぐできちんとしている。「方正」
5 ちょうどその時点にあたる。まさに。「方今」
6 やり方。「方策・方式・方便・方法」
7 特殊な技術。薬の調合法や医術。「方士・方術/医方・漢方・処方・秘方・薬局方」
[補説]歴史的仮名遣いを「ハウ」とするが、四角や医方の意の場合は「ホウ」とする説も有力である。
〈かた(がた)〉「裏方・大方・親方・上方・里方・一方・味方・目方・夕方」
[名のり]あたる・お・しげ・すけ・たか・ただし・たもつ・つね・なみ・のり・ふさ・まさ・まさし・み・みち・やす・より
[難読]
かた【方】
1 方角。方向。むき。「西の
2 物事の方向。決着。始末。
3 時間上の方向。ころ。とき。時節。「来し
4 《方角を示すことによって間接的に》人をさす敬った言い方。「女の
5 方法。手段。「せん
6 対として考えられるものの一方。人数を二組に分ける場合にいうことが多い。
「―の人、男女居わかれて」〈枕・一四三〉
7 方面。箇所。関係する点。
「和歌の―にもいみじう染ませ給へり」〈栄花・月の宴〉
8 そのようなありさま。ようす。
「おのづから
[接尾]
1 動詞の連用形に付いて、方法・手段、また、ようす・ありさまなどの意を表す。「ひもの結び
2 動詞の連用形や動作性の漢語名詞に付いて、…すること、の意を表す。「打ち
3 他人の氏名などに付いて、その人のもとに身を寄せていることを表す。「中村さん
4 数を表す語に付いて、人を数えるのに用いる。現在では、「お」を冠して、丁寧な言い方として用いられる。「おひと
5 《「がた」とも》名詞に付く。
㋐二つあるものの一方の側、また、それに属する人を表す。「相手
㋑その物事を担当する係であることを表す。「まかない
6 《「がた」とも》数量などを表す名詞に付いて、だいたいそのくらいの意を表す。「三割
7 方向の意を表す。
「いづ―に求め行かむ」〈伊勢・二一〉
[類語](4)人・者・奴/(6)ざっと・およそ・かれこれ・約・ほぼ・程度・くらい・ばかり・ほど・内外・見当・プラスマイナス
ほう〔ハウ〕【方】
2 部門・分野を漠然と指す語。その方面。また、指し示すものをあいまいにするために使う語。「将来音楽の
3 二つ以上あるもののうちの一つをとりあげてさす語。「黒い
4 どちらかといえばこちらだという部類。「性質は臆病な
5 物のやり方。しかた。方法。また、処方。
「あの場合ああでも
6 四角。また、正方形の一辺の長さ・距離を示す語。「
「―三間ばかりの狭き法廷」〈木下尚江・良人の自白〉
[補説]2から派生して、表現をあいまいにするためやぼかすために付ける、意味のない語としても用いる。「お料理のほうをお持ちしました」「お荷物のほう、お預かりします」
1990年代半ばくらいから若者の間にはやりだした。多用する話し方を「ほう弁」という。→とか →的
[類語]方位・方向・方角・向き