正(読み)セイ

デジタル大辞泉 「正」の意味・読み・例文・類語

せい【正】[漢字項目]

[音]セイ(漢) ショウ(シャウ)(呉) [訓]ただしい ただす まさ
[学習漢字]1年
〈セイ〉
1 間違いがなくただしい。いつわりがない。「正解・正確・正義・正邪・正当・正道・正否/厳正・公正・純正・真正・適正・不正・方正」
2 ただしくする。ただす。「改正・規正・矯正・校正・𠮟正しっせい・修正・粛正・是正・訂正・補正」
3 ちょうどその状態である。まさに。「正中・正反対」
4 本筋にかなっている。本来のもの。「正価・正史・正字・正式・正装・正統・正編・正門」
5 おさ。長。「里正・検事正」
6 数学で、プラスの数。「正数・正負」
〈ショウ〉
1 ただしい。いつわりがない。「正気・正直・正真・正銘」
2 ちょうど。まさに。「正午・正面・正一時」
3 本筋の。本来の。「正客・正本」
4 おさ。「僧正そうじょう」
5 年の初め。「正月/賀正」
[名のり]あきら・おさ・きみ・さだ・たか・ただ・ただし・つら・なお・のぶ・まさし・よし

せい【正】

1 正しいこと。「正よく邪を制す」⇔邪。
2 正式なもの。主となるもの。「正副二通」⇔副。
3 書物などの、正編。「正続二巻」
4 長。主任。「検事正」
5 ある数が零より大きいこと。プラス。「正の整数」⇔負。
6 イオン・電極などの電荷がプラスであること。陽。⇔負。
7 ⇒定立ていりつ
[類語]真・本当・真実・真個・真正・正真しょうしん・正真正銘・まこと

しょう〔シヤウ〕【正】

[名]
1 本当であること。
「つくろいなき―の処」〈一葉・ゆく雲〉
2 律令制で、諸司の長官。
3 位階を上下に分けたもののうち、上の階級の称。「正一位」⇔従じゅ。
4 ふつう、時間や量を示す語の上に付いて、きっちりその時間や量であることを表す。「正八時」「正一合」
[名・形動ナリ]そっくりそのままであること。また、そのさま。
「姑婆しうとばばあの口まねは、あの婆に―だよ」〈滑・浮世風呂・二〉

まさ【正】

[名・形動]確かなこと。正しいこと。また、そのさま。→正まさに
「法印様はほんに見通しであり、―な事を言ひなんすから」〈人・恩愛二葉草〉

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精選版 日本国語大辞典 「正」の意味・読み・例文・類語

しょうシャウ【正】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しょう」は「正」の呉音 )
  2. ① 正しいこと。また、かざりけがなく、まことであること。
    1. [初出の実例]「第二正説。正者経之正体」(出典:勝鬘経義疏(611)歎仏真実功徳章)
    2. 「常に冥の知見をかへりみ、神の本誓をさとりて、正に居せんことを心ざし」(出典:神皇正統記(1339‐43)上)
  3. ② いつわりのない本当の物事。
    1. [初出の実例]「生た麝香はこれぢゃ。正のものを生でお目にかける」(出典:浮世草子・諸道聴耳世間猿(1766)三)
    2. 「正(シャウ)のお話でありますが」(出典:塩原多助一代記(1885)〈三遊亭円朝〉一五)
  4. ③ ( 形動 ) ある物と少しも違わないこと。そっくりそのままであること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「姑婆の口まねは、あの婆に正(シャウ)だよ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
  5. ④ ( 数詞の上に付き、接頭語のように用いて ) ちょうど。かっきり。
    1. [初出の実例]「正七ツ時の御登城」(出典:浄瑠璃・仮名手本忠臣蔵(1748)三)
    2. 「私は正一合入りの酒を頼んだ」(出典:冬枯(1965)〈庄野潤三〉三)
  6. ⑤ 令制の諸司の長官。かみ。
    1. [初出の実例]「采女司 正一人」(出典:令義解(718)職員)
  7. ⑥ ( 「じょう」とも ) 令制の位階を上下の二種に区別し、下位を従とするのに対して、その上位の称。「正一位」「正三位」など。
  8. ⑦ 一の意の青物市場の符丁。

まさ【正・柾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① ( 形動 ) 正当または順当であること。たしかなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「風流(みさを)ある女有り〈略〉自性(ひととなり)塩醤(マサナルコトヲ)心に存す。〈興福寺本訓釈 塩醤、二合、末佐奈る己止乎〉」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
  3. ② ( 柾 ) 木目がまっすぐに通っていること。まさめ。〔字鏡集(1245)〕
    1. [初出の実例]「朝ひなは桐のまさの下駄をはく」(出典:洒落本・仕懸文庫(1791)一)
  4. ③ ( 形動 ) まっすぐなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「こちらへ付て柾に歩びや二丁ほど近ひ」(出典:洒落本・南極駅路雀(1789))
  5. ④ 「まさめがみ(柾目紙)」の略。
    1. [初出の実例]「柾といふ紙を求めて四方の壁を色どりしが」(出典:長塚節歌集(1917)〈長塚節〉大正三年)

せい【正】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① ただしいこと。まちがいないこと。
    1. [初出の実例]「祈はくは奇記を覧る者、邪を却け、正に入り、諸悪作すこと莫く、諸善奉行せむことを」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
    2. 「若一言の下に、邪を翻し、正に帰する事もやあらんずらんと思ひければ」(出典:太平記(14C後)一八)
    3. [その他の文献]〔易経‐乾卦〕
  3. ② 本来あるもの。もとからあるべきもの。また、主たるもの。
    1. [初出の実例]「めは正也。まは権也」(出典:名語記(1275)六)
  4. ③ 長。主任。かみ。〔礼記‐王制〕
  5. ④ 書物などの正編の略。
  6. ⑤ 数学で、数が零より大きいこと。プラス。⇔負。
  7. ⑥ 数詞の一つ。一〇の四〇乗をさす。
  8. ⑦ 哲学で、弁証法の三段階の一つ。定立。→正反合

まさしく【正】

  1. ( 形容詞「まさし(正)」の連用形。現代語では副詞的に用いる ) ⇒まさしい(正)③

ただし【正】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ⇒ただしい(正)

まさ‐し【正】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ⇒まさしい(正)

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普及版 字通 「正」の読み・字形・画数・意味

正
常用漢字 5画

[字音] セイ・ショウ(シャウ)
[字訓] ただしい・ただす・おさ・まさに

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
一+止。卜文・金文の字形は、一の部分を囗(い)の形に作り、囗は邑・城郭の象。これに向かって進む意であるから、正は征の初文。征服者の行為は正当とされ、その地から貢納を徴することを征といい、強制を加えて治めることを政という。〔説文〕二下に「是なり。止に從ひ、一以て止まる」とするが、一に従う字ではない。その支配にあたるものを正といい、周初の金文〔大盂鼎(だいうてい)〕に「殷の正百辟」という語がみえ、官長たる諸侯の意。官の同僚を「友正」という。征服・征取・政治の意より、正義・中正、また純正・正気の意となる。

[訓義]
1. せめる、征の初文。
2. 攻めてただす、反する者をただす、ただしい。
3. 征の初文、税をとる。
4. おさ、かしら、おさめるもの、長官。
5. まつりごと、おさめる。
6. さだめる、平らかにする、ととのえる。
7. もと、はじめ、基本にあるもの。
8. 純粋なもの、誤りのないもの。
9. まさに。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕正 マサシ・マサニ・カミ・ヲサヲサシ・タヒラカナリ・ヒル・ヒタフト・シク・ヒトシ・タカシ・シバラク・トトノフ・タダス・タダシ・マツリゴト・メヅラシ・キク・トドム

[部首]
〔説文〕に正の反文として乏を録し、〔玉〕に整など二字を加える。乏は正の反文ではなく、泛死者の象形。これを埋めて葬ることを(へん)という。

[声系]
〔説文〕に証・整・(政)・定・鉦など九字を収める。おおむね正の声義をとるものである。ただ鉦は、その鼓つ音をとるものであろう。

[語系]
正・征・・整tjiengは同声。正は征の初文。正に攴(ぼく)を加えてとなり、また敕(ちよく)(束ねて整える)を加えて整となる。

[熟語]
正午▶・正面▶・正意▶・正家▶・正科▶・正譌▶・正▶・正衙▶・正会▶・正格▶・正確▶・正学▶・正監▶・正諫▶・正気▶・正奇▶・正軌▶・正機▶・正義▶・正議▶・正客▶・正糾▶・正兇▶・正襟▶・正緊▶・正系▶・正経▶・正言▶・正庫▶・正誤▶・正攻▶・正行▶・正号▶・正▶・正笏▶・正坐▶・正朔▶・正史▶・正始▶・正子▶・正字▶・正式▶・正室▶・正日▶・正邪▶・正爵▶・正術▶・正閏▶・正書▶・正色▶・正身▶・正真▶・正寝▶・正賑▶・正人▶・正声▶・正静▶・正正▶・正生▶・正性▶・正籍▶・正絶▶・正体▶・正大▶・正内▶・正旦▶・正中▶・正昼▶・正長▶・正直▶・正丁▶・正定▶・正嫡▶・正殿▶・正徒▶・正途▶・正統▶・正当▶・正堂▶・正道▶・正徳▶・正陪▶・正白▶・正反▶・正犯▶・正妃▶・正筆▶・正夫▶・正賦▶・正風▶・正服▶・正副▶・正文▶・正平▶・正兵▶・正聘▶・正俸▶・正法▶・正房▶・正末▶・正脈▶・正名▶・正命▶・正門▶・正理▶・正立▶・正領▶・正類▶・正路▶・正臘▶
[下接語]
殷正・夏正・賀正・雅正・改正・革正・割正・刊正・幹正・元正・奇正・規正・議正・糾正・居正・匡正・矯正・堅正・顕正・厳正・公正・更正・校正・剛正・宰正・三正・持正・正・執正・質正・実正・射正・邪正・守正・取正・周正・修正・粛正・純正・醇正・真正・是正・先正・大正・端正・中正・忠正・朝正・直正・訂正・貞正・適正・正・農正・駁正・反正・批正・不正・補正・方正・法正・養正・里正・履正・廉正

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岩石学辞典 「正」の解説

正

この接頭語にはいくつかの意味がある.(1) ローゼンブッシュは様々な変成岩の前につけて火成岩に由来した意味で用い,正片麻岩(orthogneiss)などと使用した[Rosenbusch : 1891].一般にはローゼンブッシュの使い方が行われている.(2) ヨハンセンはこの接頭語をカリ長石に富む岩石に使用したが[Johannen : 1920],後にカリ(kali-)という接頭語に置き換えた[Johannsen : 1931].(3) シャントはこの語をSiO2に飽和した岩石に使用した[Shand : 1927].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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