抜きん出る(読み)ヌキンデル

デジタル大辞泉 「抜きん出る」の意味・読み・例文・類語

ぬきん・でる【抜きん出る/▽抽んでる/×擢んでる】

[動ダ下一][文]ぬきん・づ[ダ下二]《「ぬ(抜)きい(出)ず」の音変化》
1 ひときわ高く出る。「他に―・でた長身」
2 ひときわすぐれる。秀でる。「衆に―・でた才能」
3 選び出す。
「成斎は用人格に―・でられ」〈鴎外・渋江抽斎〉
4 そのことに人一倍はげむ。
「日夜に丹誠を―・でて」〈芥川・地獄変〉
[類語](2)ずば抜ける・図抜ける・飛び抜ける・抜け出る・光る・卓抜・卓出・卓越・卓絶・逸出・素晴らしい・素敵すてき・見事みごと・立派・最高・絶妙・秀逸・結構・目覚ましい・輝かしい・妙たえなる・えも言われぬ・上手・巧み・うまい・巧妙・老巧・達者・器用・賢い・上出来・上上・物の見事・結構尽くめ・何より・申し分が無い・言う事無し・天晴れ・ナイス・ワンダフル・目の覚めるよう・目に染みる・冴える・水際立つ・抜群・群を抜く・並外れる・人並み外れる・度外れ・断トツ・非凡・出色・傑出・一日いちじつの長・素人離れ・玄人跣くろうとはだし・超人的・めぼしい・目立つ・引き立つ・顕著・著しい・際立つ・目を引く・人目を引く・人目につく・目に立つ・ひときわ・主おも立つ・とりわけ・値千金・掛け替えのない・満足・八方好し・言うに及ばず・コンプリート・こよなく・鮮やか・圧巻・うはうは・えも言わず・オールマイティー・会心・神業・冠絶・しびれる・充足・手練・称賛・長たける・達成感・長ずる・超絶・天才的・得意顔・特出・突出・迫真・不朽・満ち足りる・尤ゆう・優秀・優良・優等・精良・上等・上乗・特上・秀抜・至高・結構・絶妙・華華しい・美美しい・麗麗しい・ゴージャス・デラックス・優れる・秀でる・錚錚そうそう・一角ひとかど・一丁前・一人前・白羽しらはの矢が立つ・良質・粒選より・精選・厳選・特選・選より抜き・選えり抜き・選より抜く・選えり抜く・豪儀・華やか・きらびやか・絢爛けんらん・華麗・華美・豪華・豪勢・豪奢ごうしゃ・傑作・すごい・出来映え・超絶・一級・絶品・逸品・極み・赫赫かくかく・見上げる・一頭地を抜く・光彩・至妙

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精選版 日本国語大辞典 「抜きん出る」の意味・読み・例文・類語

ぬきん‐・でる【抽・擢】

  1. ( 「ぬきいず(抜出)」の変化した語 )
  2. [ 1 ] 〘 他動詞 ダ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ぬきん・づ 〘 他動詞 ダ下二段活用 〙
    1. ① 選び出す。よりぬく。抜擢(ばってき)する。
      1. [初出の実例]「擢て用ゐられ給ひしかば」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)上)
    2. ② 抜いて先に出る。追い越す。
      1. [初出の実例]「それがし大勢の御家来の中をぬきんで推参仕る義」(出典:浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)一)
    3. ③ 卓越した働きをする。志を人一倍あらわす。
      1. [初出の実例]「ひそかに一心の精誠を抽(ヌキン)でて孤嶋の幽祠に詣」(出典:高野本平家(13C前)五)
  3. [ 2 ] 〘 自動詞 ダ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ぬきん・づ 〘 自動詞 ダ下二段活用 〙
    1. ① 仲間から抜け出る。とびだす。抜け駆けする。さきがける。
      1. [初出の実例]「心早(はや)き人なりければ、只一人抽(ヌキンデ)て、後の山より何地(いづち)ともなく落給にけり」(出典:太平記(14C後)一三)
      2. 「いかめしげに先走り独りぬきん出何とする」(出典:浄瑠璃・平家女護島(1719)二)
    2. ② 人なみはずれてすぐれる。ひいでる。
      1. [初出の実例]「祖逖字は士稚気がぬきんでたぞ」(出典:玉塵抄(1563)五)
    3. ③ 他よりひときわ高く出る。
      1. [初出の実例]「広い境内に二列の木々が枝をひろげて、花の雲を作り、ぬきんでて高い楼門を、その上に乗せた形である」(出典:帰郷(1948)〈大仏次郎〉花)

抽んでるの語誌

( 1 )「ぬき(抜)」と「いづ(出)」の複合語「ぬきいづ」から変化して「ぬきんづ」となり、「いづ」から「でる」への変化に並行して「ぬきんでる」となった。
( 2 )中世の軍記物語にみえる形が古いが、その話しことば的な性格からも、撥音便が現われる中古の頃あたりにはすでに使われていたという可能性も考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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