目(もく)(読み)もく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「目(もく)」の意味・わかりやすい解説

目(もく)
もく

生物を分類するときの類別に用いる一段階の名称。綱と科の中間にある段階であって、綱との間には亜綱や上目など、また科との間には亜目や上科などの段階が置かれることが多い。目は共通した明らかな特徴を備える科を集めて構成されるが、一方では綱に含まれる生物を主要な体制の特徴などにしたがって区分したものである。昆虫類(綱)を例にあげると、体の区分や脚(あし)の数などは共通であるが、はねの有無や脈の特徴、口器の形状、尾角の存否や形、幼期の状態などによって、トンボカゲロウ、直翅(ちょくし)(バッタなど)、シラミ、半翅(セミ、カメムシなど)、甲虫、膜翅(ハチ、アリ)、鱗翅(りんし)(チョウ、ガ)、双翅ハエアブ、カ)、ノミなど、比較的識別しやすい約30の目に分けられている。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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