気持(読み)キモチ

デジタル大辞泉 「気持」の意味・読み・例文・類語

き‐もち【気持(ち)】

1 物事に接したときに心にいだく感情や考え方。「気持ちのこもった贈り物」「お気持ちはよくわかります」
2 ある物事に接したときに生じる心の状態。気分。感じ。「気持ちのよい朝」「気持ちの悪い虫」
3 物事に対しての心の持ち方。心がまえ。「気持ちを新たにする」「気持ちを引きしめてかかる」
4 からだの状態から生じる快・不快の感じ。気分。「気持ちが悪く吐き気がする」
5 相手に対する感謝の心や慶弔の意などを表す語。ふつう謙遜していうときに用いる。「ほんの気持ちですが」「気持ちばかりの品を送ります」
6 (副詞的に用いて)ほんのわずか。「気持ち長めに切る」
[用法]きもち・気分・ここち――「気持ち(気分、心地)がよい(悪い)」「すがすがしい気持ち(気分、心地)だ」のように、心の状態をいう場合には、相通じて用いられる。◇「気持ち」は心の状態だけでなく、考え方や考えの内容を表す。「どういうつもりなのか、彼の気持ちがわからない」の場合は、「気分」「心地」は使わない。◇「気分」は快・不快、明・暗などの心身の状態を中心に、「とりとめのない気分」「気分がすぐれない」「お祭り気分」「その場の気分を敏感に察する」など、ひろく漠然とした感じや雰囲気の表現にも及ぶ。◇「心地」は、「生きた心地がしない」「天にも上る心地」のような慣用表現として、また「住み心地」「乗り心地」のような熟語として用いられる。◇「気持ち(心持ち)右を向いてください」は、「気持ち」「心持ち」だけの用法である。
[類語](3)メンタル・心的・内的・精神的・内面的・観念的・心理的・知能・心理・精神力・メンタリティー・スピリチュアル・心こころ・知情意・心神・内心・心魂・内面・マインド・ハート・スピリット・エスプリ・精魂・気迫・神気・気概・気力・意力・意志・神経・気構え・理念・思想・気風・気性きしょう・心性・性さが・想念・思念・念ねん・感懐・感想・所懐・胸懐・心懐・胸中・心中しんちゅう・心事・心情・心境・感慨・万感・偶感・考え・思考・思索・一存・心持ち・心地・気分・思い・感情・気・機嫌・精神/(6)少ない・少し・少しく・少少・ちょっと・ちょいと・ちと・ちっと・ちょっぴり・いささか・いくらか・いくぶん・やや・心持ち・多少・若干・二三・少数・少量・僅僅きんきん・わずか・数えるほど・たった・ただ・たかだか・しばらく・なけなし・低い・手薄・少なめ・内輪・軽少・軽微・微弱・微微・微少・僅少きんしょう・些少さしょう・最少・微量・ちびちび・一つまみ・一握り・一抹・一息・紙一重・雀すずめの涙・鼻の差・残り少ない・ちょこっと・ちょこんと・ちょっこり・ちょびちょび・ちょびっと・ちょぼちょぼ・ちょろり・ちょんびり・ちょんぼり・ちらり・爪の垢あか・小口・ささやか・寸毫すんごう・プチ・ほのか・幾ばく・せいぜい・たかが・微塵みじん・些細ささい・まばら・ほんの・あるかなきか・一縷いちる・心ばかり・印しるしばかり・形ばかり

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精選版 日本国語大辞典 「気持」の意味・読み・例文・類語

き‐もち【気持】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 物事に接して、それに対して感じた心の状態。心のあり方。感情。気分。物事に対してどのように感じているかという心の状態や、心のおかれている状態、物事に対する心のもち方などについていう。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「手前が爰でいちゃつくを見て、身も気持を悪ふ致したわいの」(出典:歌舞伎・お染久松色読販(1813)序幕)
  3. ② からだの状態についての感じ。気分。
    1. [初出の実例]「今夜はおまへのお蔭で大そうに気持(キモチ)がよいから、呑で見たひヨ」(出典:人情本・春色辰巳園(1833‐35)四)
  4. ③ ( 副詞的に用いて ) すこし。ほんのわずか。「気持、右へ寄せて下さい」
    1. [初出の実例]「気持ち背丈が低くて在(い)らしったように思ひますがネ」(出典:火の柱(1904)〈木下尚江〉三)

気持の語誌

( 1 )類義の「心持(こころもち)」は一三世紀末に使われ始めたと見られるが、「気持」は遅れて一五世紀末に見え始める。
( 2 )「心持」は元来、心の持ち方ということで、「気だて」「心がまえ」などの意で使われたが、江戸時代中期以降、物事に際して感じた心の状態の意が主になってからは「心地」の俗語的な表現として会話文に多用されるようになった。
( 3 )「気持」は、感覚的な心の状態の意であるが、「心持」の主な意味が変わったため、江戸中期以降、類義となり、「心持」より俗語的な感じで使われた。
( 4 )明治期には「心持」が日常語となって多用されたが、「気持」は俗な感じが強かったため、用例は少ない。
( 5 )大正期になると「気持」の俗な感じが少し薄れて「心持」と併用されるようになるが、やや改まった場合は「心持」の方が使われた。
( 6 )昭和期では「気持」が圧倒的に優勢になり、特に第二次世界大戦後は「心持」の使用が大きく減って、現在では若い人の間ではほとんど使われなくなっている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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