沢山(読み)タクサン

デジタル大辞泉 「沢山」の意味・読み・例文・類語

たく‐さん【沢山】

[名・形動]
1 数量の多いこと。また、そのさま。多数。副詞的にも用いる。「沢山な(の)贈り物」「本を沢山持っている」
2 数量が十分であること。十分で、それ以上はいらないこと。また、そのさま。「お説教はもう沢山だ」
3 (名詞に付き、多く「…だくさん」の形で)それが十分であったり、十分すぎたりするさま。「子沢山」「盛り沢山」
[類語](1)多く・多い・数数かずかず・多数・数多すうた・無数・多量・大量・大勢おおぜい・夥おびただしい(副詞用法で)いっぱい・あまた・多多・いくらも・いくらでも・ざらに・ごろごろ・どっさり・たっぷり・十二分に・豊富に・ふんだんに・腐るほど・ごまんと・わんさと・しこたま・たんまり・うんと・たんと・仰山ぎょうさん・なみなみ・十分・しっかり・がっつり・思い切り・思う存分・大挙・多勢・多人数・大人数・衆人・莫大・膨大・巨万・豊か・潤沢・無尽蔵・山ほど・盛り沢山・がっぽり・がっぽがっぽ・多め・幾多・過多・最多・多作・多め・数知れない・数知れぬ・数え切れない・十指に余る・枚挙にいとまがない・掃いて捨てるほど・諸もろもろ・広い・幅広い・手広い・広範・広範囲・多方面・多角・多面・多岐・様様・各種・種種しゅじゅ・諸種・いろいろ・多様・多様化・多面的・多種・多種多様・多彩・いろんな・とりどり・色とりどり・百般・万般・諸般・多元・多元的・多角的・横断的・複眼的・おしなべて・全般に・一般・総じて・概して・おおむね・大概・普通・通例・通常・一体に・総体・およそ・遍あまねく・雑多・万よろず・各人各様・十人十色・千差万別・マルチ・事事物物・種種雑多・各様・種種くさぐさ・玉石混淆こんこう・凡百ぼんぴゃく・百態・百事・百千・万端・各般・数次・幾度・等等・諸相・諸物・あれこれ・何やかや・何だかんだ・何のかの・何くれ・何くれとなく・あれやこれや・ごちゃごちゃ・あの手この手・エトセトラ・百もも・億万・千万・千万無量・うようよ・うじゃうじゃ・蝟集いしゅう・無尽・雲霞うんか・星の数ほど・浩瀚こうかん・少なからず・山積み・山積・飽和・満満・ごっそり・大半・累積・山をなす・十重二十重とえはたえ・有り余る/(2)フル・十分・十二分・充足・たっぷり・なみなみ・一杯・がっつり・無数・多量・盛り沢山・豊富・満喫・存分・満杯・満員・満席・満車・満室・満タン・満点・満幅・飽和・満ち足りる・すべて・全部・全体・全面

さわ‐やま〔さは‐〕【沢山/▽多山】

[形動ナリ]《「沢山たくさん」の訓読み。江戸時代、多く女性が用いた語》数や程度のはなはだしいさま。たくさん。たいへん。
「―にかろき奉公人に、大壁六平といへる男あり」〈浮・武道伝来記・四〉

だく‐さん【沢山】

「たくさん(沢山)3」に同じ。「子沢山」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「沢山」の意味・読み・例文・類語

たく‐さん【沢山】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 形動 )
    1. ① 数量的に多いこと。また、そのさま。多数。多量。
      1. [初出の実例]「宿々に十石づつの米ををかる。たくさんなるによって、施行にひきけるとぞ聞えし」(出典:平家物語(13C前)八)
    2. ② 十分なこと。また、十分でそれ以上はいらないさま。
      1. [初出の実例]「愚痴不肖は世界にみちみちて沢山(タクサン)なり」(出典:翁問答(1650)上)
      2. 「夫でも御惣領がお独ござらッしゃれば沢山(タクサン)でございます」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
    3. ③ 必要以上に多すぎること。転じて、大事にしないこと。また、そのさま。粗略。ぞんざい。
      1. [初出の実例]「竹の子を根引にしてたくさんにもてあつかう事、惜しき事ぢゃ」(出典:咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上)
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 ( 名詞に付いて、多く「…だくさん」の形で ) それが十分であったり、十分すぎたりするさまを表わす。「盛りだくさん」「子だくさん」など。
    1. [初出の実例]「のしのしとけたかう材木にあかせて物だくさんにつくった家の心ぞ」(出典:玉塵抄(1563)六)

沢山の補助注記

「さはやま」を「沢山」と書いて音読したものと考える説がある。「さは」は古くから「天の下に国はしも沢にあれども」〔万葉‐三六〕のように用いられ、「やま」と同様に数の多いことを表わす。しかし、「さはやま」の例が見られるのは、近世に入ってからであるため、「さはやま」はむしろ「沢山」を訓読したものという可能性も考えられる。


さわ‐やまさは‥【沢山・多山】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「沢山(たくさん)」の訓読み。江戸時代、多く女性が手紙に用いた語 ) 数が多いさま。たくさん。〔俚言集覧(1797頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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