馬鹿・莫迦・破家(読み)ばか

精選版 日本国語大辞典 「馬鹿・莫迦・破家」の意味・読み・例文・類語

ばか【馬鹿・莫迦・破家】

〘名〙 (「馬鹿」はあて字。梵語の moha =慕何(痴)、または mahallaka =摩訶羅(無智)の転で、僧侶隠語として用いたことによるという)
① (形動) 知能が劣り愚かなこと。また、そのさまやその人。あほう。〔文明本節用集(室町中)〕
※浮世草子・好色一代男(1682)五「女郎まじりの大踊、みるから此身は馬鹿(バカ)となって」
② (形動) 取るに足りないつまらないこと。無益なこと。また、常軌を逸したことやそういうさまをいう。たわけ。
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「いつまでも馬鹿(バカ)止ねへはな」
③ 本来のはたらきを果さない状態。当然持っているはずの機能がはたらかない状態。「鍵がバカになる」→ばかになる②。
④ 程度のはなはだしいこと。多く名詞の上に付けて接頭語的に用いる。「馬鹿騒ぎ」「馬鹿力」など。→ばか(馬鹿)に
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一二「馬鹿(バカ)忍耐の強い男だ」
⑤ 「ばかがい(馬鹿貝)」の略。
※談義本・風流志道軒伝(1763)四「かくのごとくの丸裸、馬鹿(バカ)のむき身と笑れて」
⑥ 銭の数をはかる用具。二対一の長さのクランク型の金属製の棒で、長い方で一〇〇文を、短い方で五〇文を数える。
※雑俳・川柳評万句合‐明和六(1769)梅三「まったりとばかときせるでしんを切り」
釣竿よりも糸を長くすること。また、その長い部分。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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