土(漢字)

普及版 字通 「土(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

[字音] ド・ト
[字訓] つち・くに・ところ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
土主の形。土を饅頭形にたて長にまるめて台上におき、社神とする。卜文にはこれに鬯(かんちよう)する形のものがあり、(社)の初文として用いる。〔説文〕十三下に「地の物を吐生するなり」(小徐本)とし、二は地、(こん)は物の出る形であるとするが、土主を台上におく形である。のち土地一般の意となり、示を加えてとなった。卜文・金文は土を社の意に用い、は中山王諸器に至ってみえる。古い社の形態は、モンゴルオボの形態に近く、中山王器のの字には土の上に木を加えている。〔説文〕には土を吐(と)の音を以て説くが、〔周礼、考工記、玉人、注〕には「度(はか)るなり」と度(ど)の音を以て説き、〔広雅、釈言〕に「瀉(そそ)ぐなり」と瀉(しや)の音を以て説く。土は社神のあるところ、地も古くは(墜)に作り、神梯((ふ))の前に犠牲をおき、社神を祀るところであった。土地一般をいうのは、後起の義である。

[訓義]
1. 土神、つちのかみ、やしろ。
2. くに、ところ、うぶすな。
3. つち、つちくれ、ひらち、耕地
4. 社・杜と通じ、もり。
5. 五行の一。

[古辞書の訓]
名義抄〕土 ツチ・イシ・トコロ・ヲリ・ハカル・クリ・ワタル・ツチフル・タマ/泥土 コヒヂ/沙土 スヒヂ

[部首]
〔説文〕の土部に百三十一字、〔新附〕十三字、〔玉〕土部の字は三百五十五字で、約三倍に及んでいる。

[声系]
〔説文〕に土声として・吐・徒・杜の四字を収める。徒はもと土と(ちやく)とに従う字。徒歩の意とされるが、古くは社の従属の意であろう。吐は吐瀉の声を写した字。杜には杜塞の意がある。

[語系]
土tha、ziyaは声近く、は土より分岐した字でもと同源の語。〔公羊伝、僖三十一年〕「侯は土を祭る」、〔詩、大雅、緜〕「迺(すなは)ち冢土を立つ」の土はいずれも社の意。〔説文〕一上を「地なり」とする。土は土主の形、社は地主の意にほかならない。

[熟語]
土域土蚓土宇・土垣土圜土屋・土化土貨・土歌・土花・土・土階・土塊・土灰・土怪・土気・土・土基・土・土宜・土儀・土牛・土居・土境・土橋土疆・土狗・土偶・土窟・土軍・土圭・土・土穴・土古・土鼓・土工・土公・土功・土・土寇・土梗・土・土膏・土豪・土産・土室土質・土実・土・土処・土匠・土娼・土障・土牆・土鬆・土城土壌・土色・土神・土人・土性・土塑土葬・土俗・土賊・土台・土断・土壇・土地・土稚・土著・土珍・土堤・土泥・土田・土・土・土伯・土薄・土・土匪・土缶・土風・土物・土墳・土兵・土壁・土崩土木・土民・土毛・土・土・土劣・土牢・土・土籠・土椀
[下接語]
埃土・安土・異土・穢土・裔土・王土・下土・化土・花土・懐土・客土・丘土・郷土・疆土・啓土・故土・后土・荒土・黄土・国土・湿土・爵土・出土・焦土・浄土・壌土・埴土・塵土・水土・寸土・尺土・赤土・瘠土・積土・践土・率土・拓土・摶土・築土・中土・冢土・田土・唐土・陶土・粘土・農土・坏土・肥土・風土・糞土・辟土・辺土・邦土・封土・本土・冥土・沃土・楽土・領土・累土

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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