相応(読み)ソウオウ

デジタル大辞泉 「相応」の意味・読み・例文・類語

そう‐おう〔サウ‐〕【相応】

[名・形動](スル)
1 つりあいがとれていること。ふさわしいこと。また、そのさま。「収入相応な(の)暮らし」「能力に相応した働き」
2 仏語。心と、心の働きとが互いに結びついていること。また、心と対象世界との結合、因と果との結合、身・口・意の三業さんごうの結合などにもいう。
[類語]対応・相当・応分・分相応・適当・適切・適正・適確・至当・妥当・穏当・好適・適合・合致・即応・正当・順当・ぴったり・それなり・頃ころ合い・程合い・手頃てごろ・適う・適する・合う・沿う・そぐう・当てはまる・当を得る・値する・見合う・似合う・兼ね合い・均衡・平衡・バランス・マッチ・もってこい・便宜・好都合・便利・利便・タイムリー・有り難い・うれしい・御おんの字・重宝ちょうほう・有用・有益・簡便・軽便・至便・程よい・絶好・願ったり叶ったり・願ってもない・渡りに船・格好・誂あつらえ向き・打って付け・好個・適える・向く・似つかわしい・ふさわしい・しっくり・同調する・フィットする・然しかり・即する・肌が合う・適格・適材・与くみし易い・然しかるべき・究竟くっきょう・合い口・合目的・文句無し・リーズナブル・好条件・匹敵・言い得て妙・恰あたかもよし・三拍子揃う・似合わしい・ジャストミート・思いがけない・馬が合う・息が合う・どんぴしゃり・所を得る・最適・壺つぼにはまる・水を得た魚うおのよう・結構尽くめ・完全・完璧・万全・十全・両全・満点・金甌きんおう無欠・完全無欠・百パーセント・パーフェクト・全く・全まったい・大丈夫・無傷・間然する所がない・水も漏らさぬ・非の打ち所がない・言う事無し・見事・満足・八方好し・言うに及ばず・コンプリート・こよなく・上上・鮮やか・圧巻・あっぱれ・うはうは・上手・えも言わず・えも言われぬ・オールマイティー・会心・神業・冠絶・際立つ・群を抜く・傑出・しびれる・秀逸・充足・手練・称賛・上出来・ずば抜ける・卓出・卓絶・卓抜・長ける・達成感・超人的・長ずる・超絶・天才的・得意顔・特出・突出・抜きん出る・迫真・抜群・不朽・水際立つ・満ち足りる・物の見事

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精選版 日本国語大辞典 「相応」の意味・読み・例文・類語

そう‐おうサウ‥【相応】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ① ( 形動ナリ・タリ ) あいかなうこと。つりあうこと。ふさわしいこと。また、そのさま。相当。
      1. [初出の実例]「事躰頗不二相応一、果可レ有レ煩歟云々」(出典:玉葉‐承安三年(1173)七月一七日)
      2. 「ただ浮船・松風村雨などやうの能にさうをうたらんを、無上の物と知るべし」(出典:申楽談儀(1430)世子)
      3. 「支躰(づうてへ)相応(サウオウ)な孑孑(ぼうふら)をおっかけてりゃアまだしもだに」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前)
      4. [その他の文献]〔国語‐斉語〕
    2. ② 仏語。色心諸法が一定の条件で和合して離れない関係にあること。心と心の作用との和合、身業と口業との和合など。また、心を集中統一させて理と和合すること。密教でいう身・口・意の三密が相互に結び合うことや、境と智が結び合うことなど。
      1. [初出の実例]「我が伝へ学べる所の秘密の教、流布相応して、彌勒の出世まで可持き地有らむ」(出典:今昔物語集(1120頃か)一一)
      2. [その他の文献]〔勝鬘経‐一乗章〕
    3. ③ 必要。所用。
      1. [初出の実例]「自然相応儀は立二所用一了」(出典:大乗院寺社雑事記‐文正二年(1467)正月二二日)
  2. [ 2 ] 平安前期の天台宗の僧。俗姓櫟井(いちい)氏。近江(滋賀県)の人。円仁に学び、叡南で修行して、貞観七年(八六五)無動寺(明王院)を開山。寛平二年(八九〇)内供奉に任ぜられる。天長八~延喜一八年(八三一‐九一八)

ふさいふさひ【相応】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ふさう(相応)」の連用形の名詞化 ) 適合すること。似合うこと。
    1. [初出の実例]「一つ物なると見ればこそ、ふさいにはおぼえぬ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)

ふさわしふさはし【相応】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ⇒ふさわしい(相応)

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改訂新版 世界大百科事典 「相応」の意味・わかりやすい解説

相応 (そうおう)
生没年:831-918(天長8-延喜18)

平安前期の天台宗の僧。近江国(滋賀県)浅井郡の生れ。俗姓は櫟井(いちい)氏。15歳のとき鎮操(ちんぞう)に従って比叡山に登り,17歳で沙弥(しやみ)となる。855年(斉衡2)円仁(えんにん)について得度受戒し,12年の籠山(ろうざん)修行に入った。858年(天安2)西三条女御(にようご)(藤原良相(よしみ)の娘)についた霊気をはらい,呪験力をもって有名になった。こののち,比良山,金峰山において修行し,863年(貞観5)には等身大の不動明王の像をつくり,865年これを安置する無動寺を建立した。866年奏請して最澄に伝教,円仁に慈覚の大師号を賜った。これが日本における大師号の始まりである。882年(元慶6)無動寺を天台別院とし,890年(寛平2)内供奉(ないぐぶ)に任ぜられる。晩年は不断念仏を実践した。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「相応」の解説

相応 そうおう

831-918 平安時代前期-中期の僧。
天長8年生まれ。天台宗。比叡(ひえい)山の円仁(えんにん)にまなぶ。12年間の籠山(ろうざん)修行をし,加持祈祷(きとう)にすぐれ皇室の信任をえた。不動明王を尊信し,貞観(じょうがん)7年比叡山に無動寺をひらく。比叡山回峰行の祖とされる。延喜(えんぎ)18年11月3日死去。88歳。近江(おうみ)(滋賀県)出身。俗姓は櫟井(いちい)。通称は建立大師。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「相応」の意味・わかりやすい解説

相応
そうおう
samprayukta

仏教用語。法と法とが互いに相かない,ともに離れないこと。特に仏教では,心と心所との関係についていう場合が多い。

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普及版 字通 「相応」の読み・字形・画数・意味

【相応】そうおう

応和。

字通「相」の項目を見る。

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世界大百科事典(旧版)内の相応の言及

【説一切有部】より

…このように我々は映画のフィルムの各こまを見るように,瞬間ごとに異なった法を経験しているのだと唱え,諸行無常を説明するのである。 心理論としては46の心所(心理現象,これは上述の70ほどの法に含まれる)のおのおのが認識主体としての心と結びつき(相応,チッタサンプラユクタcittasaṃprayukta),心理現象が現れるという心・心所相応説を明示している。また特に心と相伴う関係にあるのではなく,物でも心でもなく,それらの間の関係とか力,また概念などの心不相応行法(チッタビプラユクタ・サンスカーラダルマcittaviprayukta‐saṃskāradharma,これも上の70ほどの法に含まれている)の存在を認めた。…

【飛鉢譚】より

…護法は,霊山における古層の神が新米の聖の使霊と化したのでもあり,陰陽道の識神とも重なり,飛鉢譚が仏教の枠を超えた独自な宗教世界の話であることを具体的にあらわす存在といえよう。比良山と琵琶湖をめぐる飛鉢の伝統は中世を通じて続き,伊崎寺には無動寺の相応和尚の飛鉢譚とその祭儀化である竿飛び(さおとび)を伝え,対岸の白鬚(しらひげ)神社にも飛鉢譚と〈神通飛行の鉄鉢〉を残す。ともに叡山の勧進所であった。…

【日吉大社】より

…注目すべきは,日吉造と称される本殿形式であり,東西両本宮と宇佐宮本殿に採用されている。日吉造は正面3間,側間2間の母屋(もや)の正面と両側面の3方に庇を付加した形で,母屋の2面に庇をもつ形式(厳島神社など),四面庇の形式(北野天満宮,八坂神社など)に発展する中途の段階の形を固定化したものと考えられ,その起源は天台宗の僧相応(831‐918)が887年(仁和3)に東本宮を造立し,890年(寛平2)に西本宮を同じ形に改造したときにさかのぼる。また上部に山形をつけた山王鳥居は,他の社にみられない特異なものである。…

※「相応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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