デジタル大辞泉
「雑」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ざつ【雑】
〘名〙
① (形動) いりまじること。いりまじりあつまること。純粋でないこと。また、そのものやさま。〔詞葉新雅(1792)〕
② (形動) 精密でないこと。ぞんざいなこと。大まかなこと。また、そのものやさま。粗雑。
※
随筆・孔雀楼筆記(1768)序「其学精密森秀、博而不
レ雑」
※
暗夜行路(1921‐37)〈
志賀直哉〉三「雨天体操場のやうな雑
(ザツ)な大な建物の中に」
③ (形動)
礼儀をわきまえないで、細かい心くばりをする態度にかけていること。不作法なこと。がさつなこと。また、その人やさま。
※
洒落本・南閨雑話(1773)怖勤の体「おゐらはだたい職人だからとんだざつだによって」
※洒落本・
呼子鳥(1779)品川八景「『ほていやでござります』『ていしのはらはさぞ大きかろふのふ』『ざつをいひこなし』」
※洒落本・客者評判記(1780)立役之部「小ま物みせのさつは、見物がかほをしかめて」
⑥ 歌集などの部立で、いろいろな性格や種類の歌を集めた部分。雑歌(ぞうか)。
ぞう ザフ【雑】
〘名〙
① (形動) 入りまじること。純粋でないこと。また、そのものやそのさま。ざつ。
② 連歌や俳諧で、四季に属さない語。
季語でないことば。また、季語をもたない句。
※連歌初学抄(1452頃)「
鳥巣 春也。水鳥巣夏也。
鷹巣も夏也。
鶴巣は雑也」
※
毎月抄(1219)「恋の哥などをば雑や季の哥などにて、しかもその哥をとれるよと、きこゆるやうによみなすべきにて候」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報