デジタル大辞泉 「柔」の意味・読み・例文・類語
やわ〔やは〕【柔】
[類語]弱い・
じゅう【柔】[漢字項目]
〈ジュウ〉1 やわらかい。しなやかで弱い。「柔軟/優柔不断」
2 心がやさしい。おだやか。「柔順/温柔・外柔内剛」
3 やわらげる。「懐柔」
4 武術・武道の一。やわら。「柔術・柔道」
〈ニュウ〉1 しなやかで弱い。「柔弱」
2 心がやさしい。「柔和」
[名のり]とお・なり・やす・やわ・よし
〈ジュウ〉
〈ニュウ〉


なり」とし、矛声。また〔段注〕に木を曲直するを矛というとするが、いずれも声義が合わない。字の初文は、おそらく
に作るもので、「
きを柔らげ、
きを能(をさ)む」という語を金文に「
きを
(やは)らげ、
(ちか)きを能む」のようにしるしている。
は
(ゆう)に従い、
は酒器。
(どう)は礼装した人が酒に酔い、両袖を揚げ、足をあげて歌舞する形。「擾(みだ)れる」の初文は、もと
に従うべき字である。神前に酒を酌み、手足をあげて歌舞し、神意を安んじ柔らげることをいうもので、のち柔の字を代用する。柔に含まれる矛形の部分は柔枝を揉撓(じゅうとう)(ためまげる)した形を示すものとみるべく、矛戟の字に従うものではない。
と柔は声近く、のち柔を用い、
の字は失われた。〔説文〕
(しゆ)部九上に「
は面和するなり。讀みて柔の
(ごと)くす」とあり、その
が、おそらく
の省変の字であろう。
に作る字である。
・
など八字を収める。みな柔らげて曲直を加える意のある字である。
njiuは同声。擾(
)・
njiuも同声。擾は古くは
に従う字で、この字形に近い
(き)は〔書、舜典〕に神話的な楽祖として伝えられる。柔弱の意は柔の字義で、
(肉)njiuk、
(弱)nji
kはその系統の語である。
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▶・柔軟▶・柔
▶・柔範▶・柔轡▶・柔媚▶・柔撫▶・柔風▶・柔木▶・柔麻▶・柔曼▶・柔民▶・柔冶▶・柔良▶・柔麗▶・柔櫓▶・柔和▶出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
柔術(じゅうじゅつ)の俗称。和、柔和、弥和羅(やわら)、和術(わじゅつ)、和儀(やわらぎ)などとも書いた。中世以来の戦場技術としての甲冑組討(かっちゅうくみう)ちは、ただ自分の体力や腕力に任せて、一挙に敵を圧倒しこれをしとめることが主体で、強剛の敵に強くしかけられたときには、かえって相手に取(と)り挫(ひし)がれる危険があった。そこで、相手の力をかりて、引き込み、投げ返し、はね返して、後(ご)の勝ちを第一とする術が重要視されるようになった。とくに足軽の集団戦闘が増大すると、手搏(しゅばく)・捕手(ほしゅ)の術が考案され、やがて素肌者(すはだもの)同士の近世の柔術へと大きく発展を遂げた。その先駆となったのは、天文(てんぶん)年間(1532~55)作州(さくしゅう)(岡山県)の竹内中務大夫久盛(たけのうちなかつかさだゆうひさもり)が創始した小具足腰廻(こぐそくこしのまわり)で、ついで、近世の初め1622年(元和8)に福野七郎右衛門(しちろうえもん)の考案した良移心当和(りょういしんとうやわら)や、水早長左衛門信正(みずはやちょうざえもんのぶまさ)の制剛流(せいごうりゅう)やわら五身伝(ごしんでん)が現れ、寛永(かんえい)年間(1624~44)には寺田平左衛門の貞心流(ていしんりゅう)解(ほぐれ)や茨木専斎(いばらぎせんさい)の起倒流(きとうりゅう)流(みだれ)、小栗(おぐり)仁右衛門の小栗流和術(わじゅつ)、さらに関口氏心(うじむね)の新心流(しんしんりゅう)柔(やわら)などが相次いで成立するに至った。
[渡邉一郎]
→柔道
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…古来の柔術に改良を加えて創始された武道。嘉納治五郎は体育,修心,勝負を目的とする教育的観点から講道館柔道を創始した。…
… 1962年,日活のアクション・スター小林旭(1938‐ )と結婚,しかし〈スター同士の結婚〉は長続きせず,64年に離婚する。翌65年,作曲に古賀政男を得た《柔(やわら)》によって初のレコード大賞(第7回)を受賞,続く66年にも古賀政男の《悲しい酒》でヒットを飛ばし,〈演歌の女王〉〈歌謡曲の女王〉としての貫禄も示すようになる。 だが,その後1960年代末から70年代,80年代にかけては,歌謡界(そしてそれを取りまく社会)の状況の変化もあって新しいヒットが生まれず,また,弟かとう哲也のたび重なる逮捕事件,暴力団との関係が取りざたされたことなどもあって,多くの社会的批判を浴びることとなった。…
※「柔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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