白(漢字)

普及版 字通 「白(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

[字音] ハク・ビャク
[字訓] しろ・しろい・あきらか・もうす

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
頭顱(とうろ)の形で、その白骨化したもの、されこうべ。雨露にさらされて白くなるので、白色の意となる。偉大な指導者や強敵の首は、髑髏(どくろ)として保管された。覇者を示す(覇)はもとに作り、雨にさらされた獣皮の意。白・伯と通用する。〔説文〕七下に「西方の色なり。陰、事を用ふるとき、物色白し。入に從ひて二を合はす。二は陰の數なり」と五行説によって説くが、字は二入を合わせた形ではない。郭沫若は、拇指(おやゆび)の爪の部分で、親指で覇者を示したとするが、俗説とすべく、白の従う(きよう)()・徼(きよう)・竅(きよう)・檄(げき)・邀(きよう)はすべて祭梟(さいきよう)(首祭)の俗に関する字である。殷の甲骨文に、頭骨に朱刻を加えたものがあり、異族の伯の名をしるしている。のちには酒杯や便器に、その頭顱を用いることがあった。

[訓義]
1. されこうべ、白骨化した頭。
2. しろ、しろい、あきらか、きよらか。
3. あきらかにする、のべる、もうす、かくさずにいう。
4. けがれなし、ものなし、空白、無位無官。
5. 五行では西、秋、金。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕白 シロシ・キヨシ・マウス・スサマジ・サカヅキ・スナホニ・イチジロシ・カタチ・カタラフ・モノガタリ・トトノフ・カナフ/白晢 シララカナリ/白地 アカラサマ・イチジルシ 〔字鏡集〕白 ヒル・スサマジ・アキラカ・サカヅキ・トトノフ・キヨシ・スナホニ・モノカタリ・カナフ・シロシ・イチジロシ・マウス・スナホナリ

[部首]
〔説文〕に皎・皙・・皚・など十字を属し、〔玉〕になどを加え、すべて四十三字を属する。このうち(げき)は隙の初文で、神前におく玉の玉光が洩れくる形、また(そう)は黒色の意で、草の実の形、(こう)は皋(こう)に従い、皋は獣屍の白骨であるから、はその繁文である。

[声系]
〔説文〕に白声として碧・(迫)・・拍・帛・伯・魄など十字を収める。碧は青白に近い玉色、・拍は迫近などで擬声語に近く、帛・伯・魄は白色の意である。

[語系]
白beak、buaiは声義近く、は老人の白みがかった色をいう。獣屍が暴露(ばくろ)して白骨化するを暴bk、pheakといい、人の精気を喪ったものを魄pheakという。みな一系の語。(薄)bakはまた薄近の意で、通用の字である。

[熟語]
白堊・白暗・白衣・白意・白飲白羽・白雨・白烏白雲・白暈・白役・白越・白鉛・白燕・白屋・白汗・白簡・白眼・白気白蟻白玉・白駒・白圭・白・白・白虹・白猴・白骨・白沙・白・白衫・白粲・白士・白瓷白日・白首・白鬚・白手白酒・白寿・白粥・白絮白状・白浄・白壌・白心白身・白親・白人・白刃・白酔・白青・白盛・白精・白皙・白席・白籍・白雪・白・白扇・白牋・白素・白・白草・白足・白奪・白丹・白地・白痴・白雉白昼・白紵・白著・白楮・白・白丁・白帝・白鉄・白白田・白・白徒・白土・白頭・白答・白禿・白肉・白波・白破・白馬・白婆・白貝・白髪・白斑・白飯白眉・白筆・白描・白布・白服・白払・白粉・白文・白兵・白璧白壁・白袍・白報・白茅白米・白蜜・白面・白楊白竜・白綾・白驢白露白浪・白・白・白狼・白鹿・白論・白虎・白毫
[下接語]
曳白・瑩白・鉛白・科白・灰白・関白・眼白・挙白・虚白・凝白・謹白・空白・啓白・敬白・白・潔白・建白・堅白・白・紅白・皓白・黄白・絳白・告白・黒白・私白・自白・朱白・純白・醇白・尚白・粋白・衰白・清白・精白・雪白・鮮白・素白・蒼白・太白・大白・淡白・蛋白・頭白・独白・駁白・半白・班白・斑白・頒白・飛白・眉白・表白・漂白・粉白・密白・明白・面白・余白・廉白

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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