仄仄(読み)ホノボノ

デジタル大辞泉 「仄仄」の意味・読み・例文・類語

ほの‐ぼの【×仄×仄】

[副](スル)
1 かすかに明るくなるさま。「東の空が仄仄としてくる」
2 ほんのり心の暖かさなどが感じられるさま。「仄仄(と)した母子の情愛」
3 わずかに聞いたり知ったりするさま。
「かく、ささめき嘆き給ふと、―あやしがる」〈源・夕顔〉
[名]夜明け方。
「未だ―の程に主上出でて南面におはします」〈続古事談・一〉
[類語](1)薄明かり・明かり・灯火・ライト・ともしび・きらめき・光・輝き・光明・光輝・光耀こうよう・光彩・光芒こうぼう・明るみ・雪明かり・月明かり・星明かり・川明かり・花明かり・街明かり・窓明かり・ほの明るい・薄明るい・余光・薄明・かわたれ時・たそがれ・たそがれ時・残照・夕明かり・おぼろ・微光・ほのめく・薄ら日・トワイライト/(2)ほほえましい・ほんわか・ほおえましい・愛らしい・愛愛しい・いとおしい・いとしい・愛くるしい・かわいい・かわいらしい・あどけない・いじらしい・しおらしい・めんこい・可憐かれん・キュート・いたいけ・しとやか・愛嬌あいきょう・愛想あいそ・なごむ・なごやか・憎めない・チャーミング・癒やし系・癒やす・ラブリー・がんぜない・いとけない・愉快・面白い・痛快・嬉しい・おかしい・滑稽・ひょうきん・コミカル・うはうは・ほくほく・笑いが止まらない・喜ばしい・楽しい・欣快きんかい・嬉嬉きき・欣欣きんきん・欣然きんぜん・満悦・御機嫌・喜び・愉悦・喜悦・祝い・祝賀・賀・喜色・歓喜・歓心・狂喜・驚喜・随喜・大悦・恐悦・法悦・愉楽・悦楽・大喜び・糠喜び・空喜び・気持ちよい・快い・快・快感・快楽・心地よい・小気味よい・爽快・壮快・快適・楽・カンファタブル・すがすがしい・さわやか・清新・清爽・晴れやか・晴れ晴れ・さっぱり・朗らか・明朗・陽気・明るい・気さく・快活・楽天的・上機嫌・晴れ晴れしい・ぴちぴち・生き生き・活発・からり・根明ねあか・心が躍る・心が弾む・心を躍らせる・満足・充足・飽満・自足・自得・会心・自己満足・本望・満ち足りる・心行く・堪能・満喫・安住・安んずる・甘んずる・十分・十全・結構・有頂天・納得・慊焉けんえん・三平二満じまん・思わしい・御おんの字・足りる・足る・舞い上がる・満たす・気を良くする・溜飲りゅういんを下げる・言うことなし・気に入る・意に適う・うきうき・わくわく・いそいそ・ぞくぞく・おもろい・快哉・豪快・甘美・堪らない・さばさば・うららか

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精選版 日本国語大辞典 「仄仄」の意味・読み・例文・類語

ほの‐ぼの【仄仄】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「ほのほの」とも。「と」を伴って用いることもある )
    1. ① わずかに見たり聞いたり知ったりするさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「このおこなひ人を、ほのぼの御らんぜしやうにおぼさる」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上下)
    2. ② 夜がかすかに明けていくさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「ほのぼのとあかしのうらのあさぎりにしまがくれゆく舟をしぞ思〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)羇旅・四〇九)
    3. ③ 光がわずかで薄暗いさま、また物がはっきりと見分けられないさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「雲津よりすすめぐりするこし船の沖漕ぎさかりほのほのと見ゆ〈藤原仲実〉」(出典:永久百首(1116)雑)
    4. ④ それとなく暖かみの感じられるさま、また、心の明るさ、やさしさなどが感じられるさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「かまどのけぶりほのぼのと」(出典:浄瑠璃・蝉丸(1693頃)一)
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「比はうづきの十日なりけるに、月のひかりもほのぼのにて」(出典:建礼門院右京大夫集(13C前))
  3. [ 3 ] 〘 名詞 〙 夜がわずかに明ける頃。早暁。
    1. [初出の実例]「いまだほのぼののほどに、主上いでて南面におはします」(出典:続古事談(1219)一)

仄仄の語誌

中古の用例では、副詞「ほのぼの」と、「と」を伴った「ほのぼのと」との間に、用法上の差異が認められる。「ほのぼのと」は、(イ)「明(あ)く」に連接するもの、(ロ)そうではないが、明らかに夜明けの描写とわかるもの、(ハ)「明石」にかかって枕詞的に用いられるもの、この三つの場合にほぼ限定され、ほんのりと白んでいく夜明けの状景を象徴的・感覚的にとらえる語で、擬態語的要素が濃厚である。一方、「ほのぼの」は、視覚・聴覚・嗅覚、または心的作用でかすかに把握される状況や状態の描写に用いられるが、人事に関するものに限られる。


ほのぼの‐し【仄仄】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ほのかである。かすかである。また、感覚がはっきりしない。
    1. [初出の実例]「瞶 目疾也不明之㒵 目保乃保乃志 又目志比」(出典:享和本新撰字鏡(898‐901頃))

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