馬鹿(読み)バカ

デジタル大辞泉 「馬鹿」の意味・読み・例文・類語

ばか【馬鹿/×莫×迦】

[名・形動]《〈梵〉mohaの音写。無知の意。「馬鹿」は当て字》
1 知能が劣り愚かなこと。また、その人や、そのさま。人をののしっていうときにも用いる。あほう。「―なやつ」⇔利口。
2 社会的な常識にひどく欠けていること。また、その人。「役者―」「親―」
3 つまらないこと。無益なこと。また、そのさま。「―を言う」「―なまねはよせ」
4 度が過ぎること。程度が並はずれていること。また、そのさま。「―に風が強い」「―騒ぎ」「―正直」
5 用をなさないこと。機能が失われること。また、そのさま。「蛇口が―で水が漏れる」→馬鹿になる2
[補説]元来は相手をののしる言葉であるが、相手に対する思いやり、親しみ・愛情の気持ちを込めて用いることもある。「―だな。そんなに思いつめなくていいのに」など。また、「―! あきらめるな」のように、否定や批判などの意で、感動詞的にも用いられる。
[派生]ばかさ[名]
[用法]馬鹿・阿呆あほう――「馬鹿」のほうが広い地域で使われ、意味の範囲も広い。「馬鹿に暑い」「馬鹿正直」「このネジは馬鹿になっている」のような意は「阿呆」にはない。◇「馬鹿」は関東で、「阿呆」は関西で多く使われる。
[類語](1)阿呆あほう・魯鈍ろどん・愚鈍・無知・蒙昧もうまい・愚昧ぐまい・愚蒙ぐもう・暗愚・頑愚・愚か・薄のろ・盆暗ぼんくら・まぬけ・とんま・たわけ・馬鹿者・馬鹿野郎・馬鹿たれ・与太郎・抜け作・おたんこなす・おたんちん・あんぽんたん・べらぼう・あほんだら・頓痴気・木偶でくの坊・唐変木・表六玉・表六・いかれぽんち・ぼけなす・ろくでなし・脳足りん・出来損ない・頓珍漢・すっとこどっこい/(3)愚か・愚かしい・馬鹿らしい・馬鹿馬鹿しい・阿呆あほらしい・下らない・愚劣・無思慮ぶしりょ・無考え・浅はか・浅薄せんぱく・軽はずみ・軽率・浅浅・浅浅しい・軽薄・浮薄・単純・軽佻けいちょう・笑止千万・馬鹿臭い・詰まらない・阿呆あほう臭い・馬鹿げる・笑い事・笑止・片腹痛い・噴飯物・噴飯・笑い・大笑い・高笑い・哄笑こうしょう・爆笑・呵呵かか大笑・抱腹絶倒・笑い崩れる・笑い転こける・笑い転げる・吹き出す・腹の皮を捩よじる・腹の皮を縒よる・腹を抱える・御中おなかを抱える・頤おとがいを解く・愚にも付かぬ・へそで茶を沸かす・へそ茶・聞いてあきれる・ちゃんちゃらおかしい・遊戯的・娯楽・遊び心・遊び半分・遊び事・お遊び・たわい無い・気楽・慰み事・エンターテインメント・戯れ・極楽蜻蛉とんぼ・子供騙だまし・疎い・浅慮・短慮・無知・不勉強・不案内・認識不足・暗い・ちんぷんかん・ちんぷんかんぷん・物知らず・世間知らず/(4)随分・かなり・相当・なかなか・大分だいぶ・だいぶん・大層・頗すこぶる・いやに・やけに・えらい・余程・余っ程・比較的・割と・割に・割りかし・割方・割合・結構・大幅・とても・とっても・うんと・極めて・極み・甚だ・この上ない・極ごく・極極ごくごく・至極・無上・至上・むやみ・むやみやたら・誠に・実に・至って・やけっぱち・やけくそ・捨て鉢・無性に・めったやたら・闇雲・ひときわ・盲滅法・飛び切り・限り無い・底抜け・とりわけ・ことさら・ことに・取り立てて・非常・全く以て・甚いたく・途方もない・途轍とてつもない・すごく・著しい・べらぼう

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精選版 日本国語大辞典 「馬鹿」の意味・読み・例文・類語

ばか【馬鹿・莫迦・破家】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「馬鹿」はあて字。梵語の moha =慕何(痴)、または mahallaka =摩訶羅(無智)の転で、僧侶が隠語として用いたことによるという )
  2. ① ( 形動 ) 知能が劣り愚かなこと。また、そのさまやその人。あほう。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「女郎まじりの大踊、みるから此身は馬鹿(バカ)となって」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)五)
  3. ② ( 形動 ) 取るに足りないつまらないこと。無益なこと。また、常軌を逸したことやそういうさまをいう。たわけ。
    1. [初出の実例]「いつまでも馬鹿(バカ)止ねへはな」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
  4. ③ 本来のはたらきを果さない状態。当然持っているはずの機能がはたらかない状態。「鍵がバカになる」→ばかになる②。
  5. ④ 程度のはなはだしいこと。多く名詞の上に付けて接頭語的に用いる。「馬鹿騒ぎ」「馬鹿力」など。→ばか(馬鹿)に。
    1. [初出の実例]「馬鹿(バカ)忍耐の強い男だ」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一二)
  6. ⑤ 「ばかがい(馬鹿貝)」の略。
    1. [初出の実例]「かくのごとくの丸裸、馬鹿(バカ)のむき身と笑れて」(出典:談義本・風流志道軒伝(1763)四)
  7. ⑥ 銭の数をはかる用具。二対一の長さのクランク型の金属製の棒で、長い方で一〇〇文を、短い方で五〇文を数える。
    1. [初出の実例]「まったりとばかときせるでしんを切り」(出典:雑俳・川柳評万句合‐明和六(1769)梅三)
  8. ⑦ 釣竿よりも糸を長くすること。また、その長い部分。

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普及版 字通 「馬鹿」の読み・字形・画数・意味

【馬鹿】ばろく

馬を鹿という。人をためす。〔史記、秦始皇紀〕趙高、亂を爲さんと欲し、群臣の聽かざるをる。乃ち先づ驗を設け、鹿を持して二世に獻じて曰く、馬なりと。二世笑ひて曰く、丞相れるか。鹿を謂ひて馬と爲すと。左右に問ふ。左右或いは默し、或いは馬と言ひ、以て趙高に阿(おもね)り順ふ。

字通「馬」の項目を見る。

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