光明寺(神奈川県)(読み)こうみょうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「光明寺(神奈川県)」の意味・わかりやすい解説

光明寺(神奈川県)
こうみょうじ

神奈川県鎌倉市材木座にある浄土宗の寺。天照山(てんしょうざん)蓮華院(れんげいん)と号し、もと関八州総本山、浄土宗の学問所たる関東十八檀林(だんりん)の首位であった。執権北条経時(つねとき)が1240年(仁治1)佐助(さすけ)ヶ谷に一宇を創建して蓮華寺と称し、記主(きしゅ)禅師良忠(りょうちゅう)を開山に迎えたのを始まりとする。1247年(宝治1)これを現在地に移し、諸堂を修築して現在の名称に改め、以後北条、足利(あしかが)、徳川各氏の外護(げご)を受けて大いに栄えた。10月12~15日の十夜(じゅうや)法要(御十夜)は名高く、これは1495年(明応4)8世観誉祐崇(かんよゆうそう)が宮中に召されて引声念仏(いんぜいねんぶつ)を修したのにより、勅許を得てこれを当寺に移し行い、以来毎年10月にこれを修するようになったもので、全国の浄土寺院で行う十夜念仏の初めである。堂舎は関東大震災の際におおむね倒壊して再営したもの。境内の庭園は小堀遠州作と伝え、蓮池には大賀博士の千年蓮が移植されている。本尊阿弥陀如来(あみだにょらい)。什宝(じゅうほう)の當麻曼荼羅縁起(たいままんだらえんぎ)2巻は国宝、當麻曼荼羅図1幅、浄土五祖絵伝1巻、十八羅漢(らかん)および僧像19幅は国重要文化財に指定されている。

[森 章司]


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