見事・美事(読み)みごと

精選版 日本国語大辞典 「見事・美事」の意味・読み・例文・類語

み‐ごと【見事・美事】

(「美事」はあて字)
[1] 〘名〙
① みるべきこと。見るべき価値のある事柄。みもの。
※延慶本平家(1309‐10)一本「此中に天台の一の箱と名て一生不犯の人一人して見事にて輒く開く座主希なり」
② (形動) 転じて、美しいこと。様子が立派なこと。すばらしいこと。また、そのさま。
史記抄(1477)五「或は見ことな馬かなと云て趙高にをしねりしたがう者もあり」
③ (形動) 手ぎわなどがすぐれていること。巧みであること。また、そのさま。
※玉塵抄(1563)九「たくみにしてみことでもをそうて時の用にたたねばとりあげてほめうずことないぞ」
※仮名草子・浮世物語(1665頃)四「酒を飲むならば、よい比(ころ)に飲ふだが見事な」
④ (形動) 完全であるさま。すっかり。「見事に失敗した」
咄本・無事志有意(1798)三人男「是からは見事におれにくれろ」
[2] 〘副〙 立派なさま、すぐれているさま、じょうずなさまなどを表わす語。みんごと。ちゃんと。
※玉塵抄(1563)二七「今みごと云いあてたほどに」
浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)道中双六「見ごと沓も打まする」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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