デジタル大辞泉
「小」の意味・読み・例文・類語
こ【小】
[接頭]
1 名詞に付いて、小さい、細かい、などの意を表す。「小馬」「小石」
2 名詞に付いて、わずかな、少しの、などの意を表す。「小雨」「小降り」
3 数量を表す名詞や数詞に付いて、わずかに及ばないが、その数量に近いことを表す。ほぼ。だいたい。約。「小一時間」「小半時」
4 動詞・形容詞・形容動詞などに付いて、すこし、なんとなく、などの意を表す。「小ざっぱりしたなり」「小高い」「小ぎれい」
5 名詞や用言などに付いて、軽んじたり、ややばかにしたりするような意を表す。「小せがれ」「小利口」「小ざかしい」
お〔を〕【小】
[接頭]
1 名詞に付く。
㋐小さい、細かい意を表す。「小川」
㋑語調を整えたり、表現をやわらげたりして、やさしい感じの意を表す。
「言出しは誰が言なるか―山田の苗代水の中淀にして」〈万・七七六〉
2 用言に付いて、少し、わずかという意を表す。「小暗い」「小やみない長雨」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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こ【小】
- 〘 接頭語 〙 名詞や用言の上に付いて、小さい、わずかな、などの意味を加える。
- ① 名詞の上に付いて、その物が、小さい、細かい、などの意を表わす。親愛の情の意を含むこともある。「小島」「小山」「小屋」「小石」など。
- [初出の実例]「宮人の 脚結(あゆひ)の古(コ)鈴 落ちにきと 宮人とよむ 里人もゆめ」(出典:古事記(712)下・歌謡)
- ② 名詞の上に付いて、その量がわずかであることを示す。いささかの。「小降り」「小銭」「小人数」など。
- [初出の実例]「ぬばたまの黒髪山の山菅に小雨降りしきしくしく思ほゆ」(出典:万葉集(8C後)一一・二四五六)
- ③ 人、あるいは生き物を表わす名詞の上に付いて、年若なものであることを表わす。若い。後輩の。幼い。「小冠者」「小犬」「小童」など。
- [初出の実例]「小侍従やさぶらふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)
- ④ 数量を表わす名詞、数詞の上に付いて、その数量にはわずかに及ばないが、ほぼそれに近い意を表わす。およそ。ほぼ。「小半時」「小一時間」「小一里」など。
- [初出の実例]「十四日の小四つ時まで待候へ共」(出典:北野天満宮目代日記‐目代昭世引付・天正一三年(1585)正月)
- ⑤ 名詞の上に付いて、下の述語の表わす動作・状態の量や程度の小さいことを表現する。人体の一部を示す名詞に付くことが多い。すこし。ちょっと。「小首をかしげる」「小当たりに当たる」など。
- [初出の実例]「袖うちおろして、こつばきはきてゐたりけり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一五)
- 「くいくいと小腹が立て」(出典:四河入海(17C前)二〇)
- ⑥ 動詞・形容詞・形容動詞・副詞などの上に付いて、その動作・状態の量や程度が小さいことを表わす。すこし。なんとなく。「小ざっぱり」「小高い」など。
- [初出の実例]「大和の この高市(たけち)に 古(コ)高る 市の高処(つかさ)」(出典:古事記(712)下・歌謡)
- ⑦ 名詞や用言などの上に付いて、軽んじたり、やや馬鹿にしたような意味を表わす。なまはんかな。「小せがれ」「小憎らしい」など。
- [初出の実例]「堅儒は小餓鬼めがと云やうな心ぞ」(出典:漢書列伝竺桃抄(1458‐60)酈陸朱劉叔孫第一三)
- ⑧ 名詞や用言の上に付いて、ほとんど意味を加えることなく、語調を整えたり、強めたりするために添える。「こ甘い」「小しゃく」など。
しょうセウ【小】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① 形の小さいこと。また、長さ、幅、広さ、重さなどの程度が少ないこと。また、そのもの。⇔大。
- [初出の実例]「挙レ小将レ均大、惟鵬自対レ蜩」(出典:菅家文草(900頃)四・北溟章)
- 「小(セウ)を捨て大を取り給ふは、当然の事に付き」(出典:露団々(1889)〈幸田露伴〉八)
- [その他の文献]〔孟子‐梁恵王・下〕
- ② =しょう(小)の月
- [初出の実例]「長能卿の三月の小なりける年、名歌よみてこそ侍れとて」(出典:米沢本沙石集(1283)五末)
- 「今月は君、小だらう。二十九、三十と、十一月も最早二日しか無いね」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉一六)
- ③ 大刀の「大」に対して小刀をいう。脇差。
- [初出の実例]「我が所在は刀脇差なれば、大小と判じた」(出典:咄本・鹿の巻筆(1686)四)
- ④ 田積の一単位。太閤検地以前の一反三六〇歩(約一二アール)時代はその三分の一の一二〇歩、太閤検地により一反三〇〇歩(約一〇アール)となってからは一〇〇歩(約三・三アール)の面積をいう。
- [初出の実例]「田地之一段三百六十歩、巨細令二存知一者希也〈略〉小と云ふは、一段の三分の一を云也」(出典:正長元年記(1428)九月二七日)
- ⑤ 能楽で小鼓(こつづみ)のこと。
- [ 2 ] 〘 造語要素 〙
- ① 名詞の上に付いて、規模の小さいもの、程度が大したことのないものを表わす。
- [初出の実例]「我邦の政事家は主義の小(セウ)異同を争ひ」(出典:花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉中)
- ② 人名の上に付けて、父子関係のうちの、子であることを表わす。「小デュマ」「小ヤコブ」など。
おを【小・少】
- 〘 接頭語 〙
- ① 名詞の上に付いて、「小さい」「細かい」の意を添える。
- [初出の実例]「葦原のしけしき袁(ヲ)屋に菅畳(すがだたみ)いやさや敷きて我が二人寝し」(出典:古事記(712)中・歌謡)
- ② 用言の上に付いて、「少し」「わずか」の意を添える。
- [初出の実例]「暗(オぐら)き夜分には、〈略〉都て見ゆる所无(な)くして正道を迷失しつ」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)八)
- ③ 名詞の上に添えて、語調をやわらげる語。
- [初出の実例]「木幡(こはた)の道に 逢はしし嬢子(をとめ) 後手(うしろで)は 袁(ヲ)楯(だて)ろかも」(出典:古事記(712)中・歌謡)
小の補助注記
②の用法は、挙例の「をぐらき」や、また「を黒」「をやみ(小止)」など、限られた語のみである。
ちいさちひさ【小】
- ( 形容詞「ちいさい」の語幹から。→ちいさな )
- [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 小さいさま。
- [初出の実例]「ちいさなる声にて」(出典:人情本・春色恵の花(1836)二)
- [ 2 ] 幼児。
- [初出の実例]「ドレドレちいさよ。小さ刀伯父におこせと引たくれば」(出典:浄瑠璃・いろは蔵三組盃(1773)二)
ちいさいちひさい【小】
- 〘 名詞 〙 幼児。幼年。
- [初出の実例]「お幼児(チヒサイ)を介抱してしんぜましや」(出典:浮世草子・傾城歌三味線(1732)二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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「小」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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