何れ・孰れ(読み)いずれ

大辞林 第三版の解説

いずれ【何れ・孰れ】

( 代 )
不定称の指示代名詞。二つあるいはそれ以上ある物、場所、時などの中から一つを選ぶときに使う語。どれ。どちら。どっち。 「 -が勝つか」 「 -へ行こうとも捜し出す」
( 副 )
どんな成り行きになるとしても。どっちみち。どうせ。 「 -わかることだ」
そう遠くない将来において。そのうちに。 「 -またお目にかかりましょう」

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精選版 日本国語大辞典の解説

いず‐れ いづ‥【何れ・孰れ】

[1] 〘代名〙 不定称。おもに個々の事物からの選択を示す。→いずれか
① 多くの事物の中から一つを取り出して示す。どれ。
※万葉(8C後)一八・四〇八九「百(もも)鳥の 来居て鳴く声 春されば 聞きのかなしも 伊豆礼(イヅレ)をか わきてしのはむ」
※源氏(1001‐14頃)桐壺「いづれの御時にか、女御更衣あまたさぶらひ給ひける中に」
② 二つの事物のうち、一方を選んでいう。どちら。どっち。
※土左(935頃)承平五年一月二一日「わが髪の雪と磯(いそ)べの白波といづれまされり沖つ島守」
③ わからない場所をさす。いずこ。どこ。
※小学読本(1873)〈田中義廉〉三「此舟は、何れの方へ行くや」
[2] 〘副〙
① いずれにしても、の意。少し違いがあっても結局は。どのみち。どちらにせよ。
※虎寛本狂言・文相撲(室町末‐近世初)「『扨今のは某がまけか』『何れ御勝とは見えませぬ』」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「器はいづれ新しいから、奇麗な事は百も承知で居て」
② (多く、「また」「そのうち」などの語を伴うが、現在では単独でも用いる) そう遠くない将来において。近々。「いずれ参ります」
※人情本・閑情末摘花(1839‐41)一「何(イヅ)れ都合して二三日中にゃア出かけ様と思ふから」
[補注](一)の用例でもわかるように、不定称ではあるが、結局個々の事物の中に該当するものがあるというのが元来の用法である。→いずら

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