デジタル大辞泉 「妙」の意味・読み・例文・類語

たえ〔たへ〕【妙】

[形動][文][ナリ]
不思議なまでにすぐれているさま。何ともいえないほど美しいさま。「なる楽の音」
きわめてじょうずなさま。
「歌にあやしく―なりけり」〈古今仮名序
[類語]素晴らしい素敵すてき見事みごと立派最高絶妙卓抜秀逸結構目覚ましい輝かしいえも言われぬ上手巧みうまい巧妙老巧達者器用賢い上出来上上物の見事結構尽くめ何より・申し分が無い・言う事無し天晴れナイスワンダフル目の覚めるよう目に染みる冴える水際立つめぼしい目立つ引き立つ顕著著しい際立つ光る目を引く人目を引く人目につく目に立つひときわおも立つとりわけ値千金掛け替えのない群を抜く卓出卓越卓絶逸出抜群抜きん出る飛び抜けるずば抜ける頭抜ける並外れる人並み外れる度外れ断トツ非凡出色傑出一日いちじつの長素人離れ玄人はだし超人的

みょう〔メウ〕【妙】

[名・形動]
いうにいわれぬほどすぐれていること。きわめてよいこと。また、そのさま。「演技」「自然の」「言い得てだ」
不思議なこと。奇妙なこと。また、そのさま。「事件」「夜中な音がする」「に憎めない人」
《「妙」の字を分解すると「少女」となるところから》寺の囲い女。僧侶たちの間で用いた語。
庫裡くりから―が粗忽そこつに出でて言ひけるは」〈咄・醒睡笑・三〉
[類語]不思議奇妙奇怪奇異怪奇怪異不可思議面妖奇天烈摩訶不思議けったいおかしい異常異様不可解不審不自然奇態風変わり特異異状異例非常別条変ちくりん変てこ変てこりん妙ちきりんおかしな珍奇新奇珍妙奇抜奇警奇想天外突飛ファンシー突拍子もない言語道断無茶めちゃむちゃくちゃめちゃくちゃめちゃめちゃ滅法法外無理乱暴無体理不尽非理不当不条理不合理非合理狂的

みょう【妙】[漢字項目]

常用漢字] [音]ミョウ(メウ)(呉) ビョウ(ベウ)(漢) [訓]たえ
言うに言われぬほど美しい。「妙音美妙
奥深く味がある。きわめて巧みである。「妙案妙手妙味妙薬軽妙玄妙巧妙神妙しんみょう神妙しんびょう精妙絶妙即妙微妙霊妙
うら若い。「妙齢
変わっている。不思議だ。「奇妙珍妙
[名のり]ただ・たゆ

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精選版 日本国語大辞典 「妙」の意味・読み・例文・類語

みょうメウ【妙】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) きわめてすぐれていること。人知ではかり知ることができないほどすぐれていること。言語でいい表わせないほどすばらしいこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「隆憲説法、神也妙也、衆人驚聞者也」(出典:玉葉和歌集‐安元三年(1177)七月三〇日)
    2. 「ドラコーの法は実に驚くべき酷法であって、血法とは名づけ得て妙と云はざるを得ない」(出典:法窓夜話(1916)〈穂積陳重〉一一)
    3. [その他の文献]〔老子‐一〕
  3. ( 形動 ) 不思議なこと。奇妙なこと。奇蹟。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「接輿が去たるが妙な也」(出典:足利本論語抄(16C)微子第十八)
    2. 「人の縁(えん)てものァ妙だものだ」(出典:洒落本・筬の千言(1812頃)下)
  4. ( 形動 ) 物事を喜んだり、ほめたり、はやしたてたりするときにいう近世の流行語。すてき。すばらしいこと。いいこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「近年大坂にて通言をはくこと流行〈略〉妙(メウ)で御座す」(出典:洒落本・虚実柳巷方言(1794)中)
  5. ( 「妙」の字を分解すると「少女」となるところから ) 寺のかこい女をいう、僧侶の隠語。だいこく。
    1. [初出の実例]「庫裡(くり)から妙が粗忽(そこつ)に出でていひけるは」(出典:咄本・醒睡笑(1628)三)

たえたへ【妙】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. 人知をこえて霊妙であるさま。不思議なまでにすぐれているさま。怪しいまでにすぐれて美しいさま。
    1. [初出の実例]「海若(わたつみ)の 神の宮の 内の重の 細(たへ)なる殿に」(出典:万葉集(8C後)九・一七四〇)
    2. 「たへにおもしろくあやしきまでひびく」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  3. 技芸などが非常にすぐれているさま。じょうずであるさま。
    1. [初出の実例]「山の辺のあか人といふ人ありけり。哥にあやしく、たへなりけり」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
  4. なよやかで美しいさま。
    1. [初出の実例]「せいちいさうたえにして」(出典:平家物語(13C前)八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「妙」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(異体字)
9画

[字音] ミョウ(メウ)
[字訓] たえ・すぐれる・うつくしい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は少(しよう)。少に従う字に眇・秒(びよう)の声がある。〔玉〕に字をに作り、「なり」と訓し、「今妙に作る」という。〔老子、一〕の「其の妙をる」の妙を、〔馬王堆帛書、甲本〕に眇に作る。漢碑には妙を通行の体として用いるが、その形は〔説文〕にはみえない。〔広雅、釈詁一〕に「好なり」とするのが通訓である。

[訓義]
1. たえ、すぐれる、くわしい、ふかい。
2. うつくしい、みめよい。
3. わかい、このましい。
4. わずか、かすか。

[古辞書の訓]
名義抄〕妙 タヘナリ・ホム・ウルハシ・ヒソカニ 〔字鏡集〕妙 ウルハシ・ホム・メデタシ・クハシ・ヒソカニ・タヘナリ

[語系]
妙()・杪・秒・眇・渺・miは同声。いずれも微少の意を含み、通用の義がある。〔易、説卦伝〕「なるは、物に妙にして、言を爲すなり」の「物に妙にして」を、一に「物を眇(み)る」に作る。

[熟語]
妙案・妙意・妙衣・妙引・妙英・妙演・妙縁・妙遠・妙音・妙歌・妙画・妙楷・妙解・妙格・妙楽・妙感・妙観・妙姫・妙器・妙機・妙技・妙義・妙戯・妙響・妙境・妙曲・妙句・妙訓・妙契・妙計・妙慧・妙訣・妙言・妙悟・妙語・妙工・妙巧・妙香・妙才・妙材・妙剤・妙算・妙旨・妙思・妙士・妙姿・妙指・妙歯・妙詩・妙字・妙辞・妙識・妙質・妙実・妙手・妙趣・妙術・妙処・妙書・妙賞・妙色・妙飾・妙身・妙尽・妙甚・妙枢・妙声・妙迹・妙節・妙説・妙絶・妙舌・妙選・妙饌・妙善・妙然・妙操・妙想・妙像・妙足・妙速・妙態・妙択・妙達・妙致・妙智・妙籌・妙諦・妙適・妙典・妙囀・妙道・妙徳・妙年・妙微・妙靡・妙筆・妙品・妙稟・妙舞・妙弁・妙墨・妙鬘・妙味・妙密・妙門・妙薬・妙誉・妙用・妙容・妙理・妙律・妙略・妙齢・妙麗・妙論
[下接語]
英妙・淵妙・奥妙・佳妙・雅妙・簡妙・奇妙・妙・機妙・勁妙・軽妙・妙・玄妙・巧妙・好妙・高妙・至妙・殊妙・衆妙・勝妙・神妙・真妙・深妙・清妙・精妙・舌妙・絶妙・達妙・端妙・沖妙・超妙・珍妙・悲妙・美妙・微妙・筆妙・敏妙・墨妙・幽妙・妖妙・要妙・霊妙・麗妙

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