精選版 日本国語大辞典 「通」の意味・読み・例文・類語
つう‐・ずる【通】
とおり とほり【通】
かよ・う かよふ【通】
かよい かよひ【通】
とおし とほし【通】
つう【通】
かよわ・す かよはす【通】
どおり どほり【通】
つう・じる【通】
つう‐じ【通】
かゆ・う かゆふ【通】
どおし どほし【通】
つう‐・ず【通】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
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江戸中期から後期にかけて定着した美的理念をいう語。世態に通達した知識を持ち,物事を処するに滞りがなく,人情を解してさばけた心およびそうした心の持ち主をさしていう。普通はその知的要素に重点がおかれるが,多くは遊里における遊興理念として用いられ,精神的要素に重点がおかれている。文芸の世界では,特に洒落本の中で〈通〉とは何かという〈通〉論議がしばしば行われた。そのため一時は洒落本は〈通〉の教科書であるという理解も生じていた。〈通〉は元来〈通り者〉と呼ばれていたものが音読されて〈通者〉となり,さらに下略されて生じた語だと思われる。それが定着するのは安永(1772-81)末から天明期(1781-89)に入ってのことであろう。〈通り者〉には〈気の通った人〉(粋人)の意と〈顔(名前)の通った人〉(顔役)という二義があり,宝暦(1751-64)ころは後者の意味が強かった。そこから〈大通(だいつう)〉の語も生じ,明和・安永と盛んに〈大通〉賛美が行われたのち,反省期を迎え,天明期に入って〈大通〉のイメージの中にあった豪気さ,放胆さが消え,多分に常識的,小市民的な〈通〉の理念が生じた。一方で,己ひとり通人なりと誇らしげな人物を指す〈半可通(はんかつう)〉(野暮(やぼ))という語も生まれる。洒落本はもっぱらこの〈半可通〉をうがちの対象として登場させ,滑稽を摘出することに成功している。
→粋(すい)
執筆者:中野 三敏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
江戸時代,江戸を中心に行われた美的理念・生活態度を表す語。主として遊里で発生・展開した理念で,遊興の場の諸事情に明るく,人情の機微にさといこと,またその人。上方における粋(すい)と近似の関係にある。野暮の対語。前半期の戯作文芸のほとんどに通底する。本義から派生し,「芝居通」のように,ある特定の分野に通暁する意にも用いられた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…“粋(すい)”や“通”と同じく,江戸時代における一種の美的生活理念。ただし“粋”“通”が地域的・時代的限定を伴うのに対して,“いき”は江戸時代を通じて用いられ,現代にも通用している。…
…仮名草子では〈水〉の字を多く当てる。従来,〈通(つう)〉や〈いき〉とは似て非なる別個の美意識として説かれることが多かったが,時代的に区分された意識としては,〈粋〉→〈通〉→〈いき〉のように,まったく同一線上に並ぶ意識として考えることもできる。また三者がほとんど区別されることなく重ねて用いられた例もあるところから,これらは互いに通い合う性質・内容を色濃くもつと考えるべきであろう。…
…例えば,伊勢参詣人を対象に古い歴史をもつ伊勢の古市(ふるいち)は茶屋町として,東海道の品川宿は形式上は飯盛旅籠(めしもりはたご)屋(飯盛女)として営業を認められていたものである。 各地によって多様な構図をもつ遊郭の基本的な設計は,上記のように周囲を溝や塀で囲み,大門(おおもん)(出入口)のみによる通行とした(裏門はあっても非常用である)。市中から大門に至る道には,遊郭行きをためらう思案橋(しあんばし),遊郭に近づいて身づくろいする衣紋坂(えもんざか)などが配置され(橋や坂は地形によって変わる),大門のそばには柳の木が植えてあることが多い。…
…作者は大坂下りの書肆丹波屋利兵衛といわれる。通人とうぬぼれている半可通の男が,うぶな商家のむすこをつれて吉原遊郭に遊び,途中の船宿や船中,茶屋などでさかんに通人ぶりを示そうとするが,しだいに化けの皮をあらわし,遊女屋でも女郎に冷遇される。一方むすこは大いにもてるという筋。…
※「通」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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