有頂天(読み)ウチョウテン

デジタル大辞泉 「有頂天」の意味・読み・例文・類語

うちょう‐てん〔ウチヤウ‐〕【有頂天】

[名]《〈梵〉akaniṣṭhaまたはbhavāgraの訳》
1 色界しきかいの中で最も高い天である色究竟天しきくきょうてんのこと。形ある世界の頂。阿迦尼吒天あかにだてん。
2 色界の上にある無色界の中で、最上天である非想非非想天ひそうひひそうてんのこと。
[名・形動]
1 得意の絶頂であること。また、そのさま。大得意。「試験に合格して有頂天になる」
2 物事に熱中して夢中になること。また、そのさま。
「忠兵衛気も―」〈浄・冥途の飛脚〉
[類語]歓喜・狂喜・驚喜・欣喜雀躍きんきじゃくやく・随喜・得意・好い気・絶頂感・優越感・意気揚揚・鬼の首を取ったよう・誇らか・揚揚・得得・鼻高高・誇らしい・鼻が高い・肩身が広い・時ときを得え顔・したり顔・自慢顔・自慢たらしい・会心・昂然こうぜん・胸を張る・得意満面・得意顔・勝ち誇る・肩を張る・肩で風を切る・これ見よがし・意気が揚がる・うぬぼれる・のぼせる・ひけらかす・顎あごをなでる・どや顔・所得ところえ顔・手柄顔・驕おごり・肩肘かたひじ張る・天狗になる・見得を切る・大見得を切る・高ぶる・誇示・見せつける・満足・満悦・充足・飽満・自足・自得・自己満足・本望・満ち足りる・心行く・堪能・満喫・安住・安んずる・甘んずる・十分・十全・嬉しい・楽しい・面白い・喜ばしい・喜び・愉快・痛快・結構・喜悦・納得・慊焉けんえん・三平二じ満・思わしい・上機嫌・ご機嫌・御おんの字・足りる・足る・舞い上がる・満たす・気を良くする・溜飲りゅういんを下げる・言うことなし・気に入いる・意に適う・うきうき・うはうは・わくわく・いそいそ・ぞくぞく・野心満満・精力的・活発・快活・精彩・元気・活動的・動的・ダイナミック・エネルギッシュ・エナジェティック・脂あぶらが乗る・水を得た魚うおのよう・建設的・積極的・肯定的・自主的・発展的・能動的・計画的・前向き・ポジティブ・情熱的・意欲的・熱狂的・熱情的・白熱的・激越・狂熱・熱烈・烈烈・熱血・熱っぽい・血が騒ぐ・血気盛ん・パッショネート・ホット・バイタル・バイタリティー・生き生き・溌剌はつらつ・生生せいせい・ビビッド・奮って・自発的・主体的・意図的・進取・進んで・我勝ち・我先・我も我も・しゃにむに・アクティブ・アグレッシブ・自ら・身を以て・ダイレクト・作為・作為的・あえて・えいやっと・我劣らじと・強気・強引・押して・努めて・曲げて・断固・断然・思い切って・伸のるか反るか・思う様・思う存分・存分・思いのまま・力一杯・精一杯・率先・果敢・惜しみない・意気込む・本腰・腰を入れる・入れ込む・ひたむき・もりもり・盛ん・鬱然・澎湃ほうはい・勃勃・油然ゆうぜん・湧然・沸沸・むくむく・みなぎる・みなぎらす・溢あふれる・燃え上がる・沸き上がる・沸き立つ・込み上げる・たぎる・発揚・燃える・燃え立つ・鼻息が荒い・血気に逸はやる・奮い起こす・奮い立つ・気を吐く・勢い込む・気張る・張り切る・腕が鳴る・腕に縒よりをかける・ハッスル

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精選版 日本国語大辞典 「有頂天」の意味・読み・例文・類語

うちょう‐てんウチャウ‥【有頂天】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① ( [梵語] bhavāgra の訳語 ) 仏語。欲界、色界、無色界の三界のうち、存在(有)の世界の最上(頂)である色究竟天(阿迦尼吒天(あかにだてん))をさす。また、一説には無色界の最上である非想、非非想処天とする。うちょう。
    1. [初出の実例]「如レ是衆類、上絡二有頂天一、下籠二無間獄一」(出典:三教指帰(797頃)下)
    2. 「上はうちゃうてんを限り、下は阿鼻を際として」(出典:曾我物語(南北朝頃)一二)
  3. ② ( 形動 ) ( ①にのぼりつめる意から ) 我を忘れること。夢中になり、他をかえりみないさま。
    1. [初出の実例]「月を見る人の心や有頂(ウチャウ)天〈正依〉」(出典:俳諧・毛吹草(1638)六)
    2. 「有頂天(ウテウテン)になって夜鍋仕事も手につくもんぢゃアねへ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三)

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故事成語を知る辞典 「有頂天」の解説

有頂天

得意の絶頂であること。

[使用例] 音楽に関心を持つ者同士の、率直な共感の気分を修しゅう人とは放はなってき、それはほとんど私を有頂天にさせたといっていいだろう[奥泉光*シューマンの指|2010]

[由来] 仏教で、色しき界かいの中で最も高い天である色しき究く竟きょう天てんのこと。また、色界の上にある無む色しき界かいの中で、最上天である非ひ想そう非非ひひ想そう天てんのこと。厳密にどういう場所を指すかはともかく、「法華経―法ほう師し功く徳どく品ほん」に「下は阿あ鼻び獄ごくに至り、上は有頂天に至る」とあるように、この世界で最も高いところだと認識されていました。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「有頂天」の意味・わかりやすい解説

有頂天
うちょうてん

サンスクリット語ではババーグラbhavāgraといい、仏教世界観で仏界を除く最高位の世界。三界(さんがい)(欲界、色界(しきかい)、無色界)の最高位にある非想非非想処天(ひそうひひそうしょてん)のこと。三界は有(う)ともよばれるので、その頂上にあるこの天が有頂天とよばれ、修行を究めた人がこの天に昇ることができるとされる。鳩摩羅什(くまらじゅう)訳『法華経(ほけきょう)』序品(じょぼん)では、三界中の色界の最高位である色究竟天(しきくきょうてん)が有頂天とされている。なお、極度の喜びを表す「有頂天になる」という表現はこの仏教語に由来し、この場合は天は天神の意味であるので、「天になる」と表現される。

[定方 晟]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有頂天」の意味・わかりやすい解説

有頂天
うちょうてん
Akaniṣṭha

仏教的世界観から生存形態を分類したなかで,形ある世界の最頂に位する神。色究竟天 (しきくきょうてん) ともいう。転じて「得意の絶頂」の意に用いる。

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世界大百科事典(旧版)内の有頂天の言及

【宇宙】より

…欲界,色界,無色界を合わせて三界と呼ぶ。〈有頂天〉は〈有の世界の最高の場所〉の意であるが,これを非想非非想処のこととする伝承と,色究竟天のこととする伝承とがある。三界を超越したところに仏界がある。…

【三界】より

…五蘊(ごうん)(色,受,想,行,識)のうち色をもたず,受,想,行,識という精神的要素のみからなる生物,欲望と物質のいずれをも超克した生物のすむ領域で,禅定の深さによって4段階に分けられる。この4段階の最高処〈非想非非想処天〉を〈有頂(うちよう)天〉という。漢訳法華経では色界の最高処〈色究竟天〉が〈有頂天〉とされている。…

※「有頂天」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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