船・舟・槽(読み)ふね

大辞林 第三版の解説

ふね【船・舟・槽】

[1] ( 名 )
人や荷物をのせて水上を行き来する乗り物。船舶。 〔多く小型のものを「舟」、より大型のものを「船」と書く〕
(「槽」とも書く)箱形の容器。水槽・浴槽・洗濯槽・馬槽・紙漉槽かみすきぶねなど。
ひつぎ
歌舞伎小屋の、二階正面に張り出した桟敷さじき。引き舟。
( 接尾 )
助数詞。舟形の容器に入ったものを数えるのに用いる。 「刺身一-」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

ふね【船・舟・槽】

[1] 〘名〙
① 水の上に浮かべ、人や荷物をのせて水上を渡航する交通機関。ふつう木材または鋼で中を空洞に造るが、近年小型船は合成樹脂とガラス繊維とで造るものが多い。
※古事記(712)上(道祥本訓)「此の子は葦(あし)の舩(フネ)に入れて流去(なかしや)る」
② ①のように内部を空洞にした箱形の容器。
(イ) 水・湯・酒など液体を入れる容器。湯ぶね・洗濯桶など。槽(そう)。水槽。
※古事記(712)上(道祥本訓)「其の佐受岐毎に酒(さか)(フネ)を置きて船毎に其の八塩折(やしほり)の酒を盛(い)れて」
(ロ) 清酒・醤油などを搾りあげるのに用いる箱。内側面に簀竹を張り詰め、底には凹線をひいたもの。酒槽(さかぶね)
(ハ) 馬のかいば桶。馬槽。
※二十巻本和名抄(934頃)一五「槽 唐韻云槽〈音曹 和名与舟同〉馬槽也」
(ニ) 棺桶。ひつぎ。〔俚言集覧(1797頃)〕
(ホ) 魚市場や魚屋で、魚や貝などを入れる底の浅い木箱。また、刺身や貝のむき身などを入れて売る底の浅い容器。
(ヘ) 菓子を入れる箱。〔菓子話船橋(1841)〕
(ト) 米や雑穀を入れる桶。米槽(こめぶね)
※浄瑠璃・融通大念仏(1688‐1704頃)三「さっとうつして何となく。ますをふねへぞうつぶせたり」
(チ) 盆栽などを安置する容器。
※蔭凉軒日録‐寛正四年(1463)五月一五日「積善庵盆山之船献之。石者依却之。而不在所之由、以状申之」
③ 宝船のこと。
④ (「ひきふね(引船)」の略) 芝居の正面桟敷のこと。
※雑俳・柳多留‐一〇七(1829)「大当り舟の小べりも赤く成り」
⑤ 紋所の名。①の形を図案化したもの。
※雑俳・柳多留‐二一(1786)「思ひ切てとびねへなとふねのきう」
※浮世草子・西鶴名残の友(1699)三「小袋をうち出の小槌まで絵書たる。舟(フネ)を敷寝のよるの夢に」
[2] 〘接尾〙 箱形の容器に入れたものを数えるのに用いる。
※歌舞伎・男伊達初買曾我(1753)五「心太が売れるといふものぢゃごんせぬ。もう朝の間に一と舟売りました」

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