日本大百科全書(ニッポニカ) 「上(熊本県)」の意味・わかりやすい解説
上(熊本県)
うえ
熊本県南東部、球磨(くま)郡にあった旧村名(上村(むら))。現在は球磨郡あさぎり町の南部を占める地区。2003年(平成15)免田(めんだ)町および岡原(おかはる)、須恵(すえ)、深田の3村と合併し、あさぎり町となる。上の地名はあさぎり町内の旧上村区域に残る。旧上村地区は日向(ひゅうが)国(宮崎県)と境をなす南半は白髪岳(しらがだけ)・国見山の山岳地帯で、北半は免田川の開析する低地(沖積層)、台地(段丘礫層(れきそう))である。地区の3分の2は山林で覆われているが、林業の地位は低い。主産業は米麦生産からの脱却を目ざす農業にあり、葉タバコ、養豚、酪農などが盛んである。また、いもご土壌(ガラス質に富む火山灰土)のため開発の遅れた原野は、牧場となっている。
[山口守人]
『高田素次編著『上村史』(1966・上村)』
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