観音寺(香川県)(読み)かんおんじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「観音寺(香川県)」の意味・わかりやすい解説

観音寺(香川県)
かんおんじ

香川県観音寺市八幡(やはた)町にある真言宗大覚寺派の寺。山号は七宝山(しっぽうざん)。四国八十八か所霊場第69番札所。奈良時代に琴弾八幡宮(ことひきはちまんぐう)の別当寺として創建。この地の観音(かんのん)信仰の中心寺院として長く栄え、源義経(よしつね)、足利尊氏(あしかがたかうじ)、豊臣(とよとみ)秀吉などの貴紳・衆庶の信仰を集め、807年(大同2)空海が自らの手で刻んだ聖観音(しょうかんのん)像を納め再興したと伝える。明治初年の神仏分離により、琴弾八幡宮の本地仏、阿弥陀如来(あみだにょらい)を祀(まつ)る神恵院(じんねいん)(第68番札所)は八幡宮から分離、観音寺境内に移されたため、同地に2か所の札所がある。金堂、木造涅槃(ねはん)仏像、絹本着色不動二童子像が国の重要文化財に指定されるほか、寺宝は多い。

[金岡秀友]


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