究竟(読み)クッキョウ

デジタル大辞泉 「究竟」の意味・読み・例文・類語

くっ‐きょう〔‐キヤウ〕【▽究×竟】

《「くきょう」の促音添加》
[名・形動]
1 きわめて力の強いこと。すぐれていること。また、そのさま。屈強。
「跡に残ったのは―の若者ばかりである」〈鴎外・阿部一族〉
2 たいへん好都合であること。また、そのさま。あつらえむき。
「私のようなものにとってはまことに―な世界であった」〈中勘助・銀の匙〉
[副](スル) つまるところ。結局。畢竟ひっきょう。
「―するに善悪正邪の区別は」〈透谷・内部生命論〉
[類語](1)屈強・頑丈・堅牢・堅固・頑強・強固・強健・確固/(2)もってこい・便宜・好都合・便利・利便・タイムリー・有り難い・うれしい・御おんの字・重宝ちょうほう・有用・有益・簡便・軽便・至便・程よい・絶好・願ったり叶ったり・願ってもない・渡りに船・格好・頃合ころあい・誂あつらえ向き・打って付け・ぴったり・好個・好適・適する・適う・適える・合う・沿う・そぐう・向く・似合う・似つかわしい・ふさわしい・しっくり・当てはまる・適合する・適当する・合致する・即応する・同調する・フィットする・相応・然しかり・即する・肌が合う・適格・適材・与し易い・然しかるべき・マッチ・合い口・合目的・文句無し・リーズナブル・好条件・見合う・匹敵・言い得て妙・恰あたかもよし・三拍子揃そろう・似合わしい・ジャストミート・思いがけない・当を得る・馬が合う・息が合う・順当・どんぴしゃり・所を得る・最適・壺つぼにはまる・水を得た魚うおのよう・結構尽くめ・完全・完璧・万全・十全・両全・満点・金甌きんおう無欠・完全無欠・百パーセント・パーフェクト・全く・全まったい・大丈夫・無傷・間然する所がない・水も漏らさぬ・非の打ち所がない・言う事無し・見事・満足・八方好し・言うに及ばず・コンプリート・こよなく・上上・鮮やか・圧巻・あっぱれ・うはうは・上手・えも言わず・えも言われぬ・オールマイティー・会心・神業・冠絶・際立つ・群を抜く・傑出・しびれる・秀逸・充足・手練・称賛・上出来・ずば抜ける・卓出・卓絶・卓抜・長たける・達成感・超人的・長ずる・超絶・天才的・得意顔・特出・突出・抜きん出る・迫真・抜群・不朽・水際立つ・満ち足りる・物の見事

きゅう‐きょう〔キウキヤウ〕【究×竟】

1 物事をきわめた、最高のところ。究極。くきょう。くっきょう。「究竟の目標」
2 つまるところ。結局。
[類語](2)畢竟ひっきょう・結局・矢張り・所詮しょせん・どの道・何れにしても・結句・遂ついに・とどの詰まり・詰まるところ・帰するところ・詮せんずるところ・要するに・いずれ・どうせ・つまり・とうとう・いよいよ・挙げ句・挙げ句の果て・差し詰め・果ては・何と言っても・どっち道・もはや・とにかく・何しろ・何せ・何分なにぶん・何分にも・なんにせよ・ともかく・ともかくも・ともあれ・とまれ・とにもかくにも・それはともあれ・遅かれ早かれ・善かれ悪しかれ・すんでに・ほとんど・すんでのこと・すんでの所・どうにかこうにか・どうにか・やっと・ようやく・なんとか・かろうじて・からくも・やっとこさ・間一髪・危なく・あわや・すれすれ・ようやっと・どうかこうか・かつがつ・どうやらこうやら・曲がりなりにも・やっとの事で・まだしも・まだ・えんやらやっと・ようよう・危うく・九死に一生を得る・まあ・まあまあ・よっぽど・かなり・なかなか・わりあい・わりかた・わりかし・割に・比較的・まずまず・かすかす・どうやら・なんとかかんとか・そこそこ・それなり・増し・次善・可・セカンドベスト・ベター・及第・無難・ほどほど・捨てたものではない・満更まんざらでもない・未いまだし・未いまだ・不徹底・不十分・及ばずながら・不全・不完全・どうなりこうなり・一応・急場しのぎ・当座しのぎ・一時しのぎ・その場しのぎ・遅ればせ・思い通り・やっとこせ・やっとこ・からがら・命からがら・心ならず・一杯一杯・精一杯・たかだか・せめて・せめても・首の皮一枚・ぎりぎり・ほうほうの体てい・滑り込み・漕ぎ着ける・冷や汗をかく・危機一髪・きわどい・薄氷を履ふむ・サバイバル・虎口を脱する・やれやれ・命冥加・一髪・一髪千鈞せんきんを引く・とりあえず・ひとまず・間に合わせる・何はさておき・何はともあれ・差し当たり・まんまと

く‐きょう〔‐キヤウ〕【▽究×竟】

1 仏語。物事の最後に行きつくところ。無上。終極。
2 極めてすぐれていること。また、そのもの。
「主従三騎―の逸物いちもつどもにて」〈平治・中〉
3 極めて都合がよいこと。あつらえむき。くっきょう。
「卒爾そつじの用にも叶ひて―の事にてあるなり」〈後鳥羽院御口伝〉

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精選版 日本国語大辞典 「究竟」の意味・読み・例文・類語

く‐きょう‥キャウ【究竟】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「く」は「究」の呉音 )
  2. ① ( 形動 ) 仏語。物事の究極に達すること、また、達した所。終極。くっきょう。
    1. [初出の実例]「為是究竟法者、問吾所レ証尽無生二智、為究竟、未二究竟一」(出典:法華義疏(7C前)一)
    2. 「究竟せること虚空にして、広大にして辺際なし」(出典:三帖和讚(1248‐60頃)高僧)
  3. ② ( 形動 ) 力や技術、技量などが非常にすぐれていること。くっきょう。
    1. [初出の実例]「主従三騎くきゃうの逸物どもにて」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)中)
  4. ③ ( 形動 ) 非常につごうが良いこと。絶好の機会。くっきょう。
    1. [初出の実例]「卒爾の用にも叶ひて、究竟の事にてあるなり」(出典:後鳥羽院御口伝(1212‐27頃))
  5. ④ 「くきょうそく(究竟即)」の略。
    1. [初出の実例]「三身円満し、究竟妙覚のくらひにかなひ給へる」(出典:法華修法一百座聞書抄(1110)六月二六日)

究竟の語誌

( 1 )「究極」とほぼ同義であるが、梵語の uttara の訳として用いられたため、①のように仏教で最終至高の地位、境地を指すようになった。それが、「平家物語」などの軍記物語や「吾妻鏡」で、②のように武芸の優れている意、さらに城や牛が頑丈である意にも転用されるようになった。
( 2 )本来は「くきゃう」という呉音読みを正しいものと認識していたようであるが、軍記物語などでは強調表現として「くっきゃう」と促音化したものも多く見られる。そのため後には「屈竟」と書くようにもなる。


くっ‐きょう‥キャウ【究竟】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「くきょう」の変化した語 )
  2. ① 物事のせんじつめたところ。完全な域。究極の境地。つまるところ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  3. ② ( 形動 ) 武勇の力が強いこと。きわめて頑丈なこと。また、きわめてすぐれていること。
    1. [初出の実例]「もとより究竟(クッキャウ)〈高良本ルビ〉の城也」(出典:平家物語(13C前)七)
    2. 「在所しれなば究竟(クッキャウ)の者共をつかはし」(出典:浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)四)
  4. ③ ( 形動 ) たいへんつごうのよいこと。あつらえ向き。
    1. [初出の実例]「すはや究竟(クッキャウ)の事こそ有けれ。師直・師泰を讒し失はんずる事は、此の僧にまさる人非じと」(出典:太平記(14C後)二六)
    2. 「金子廿両の預り手形。是究竟(クッキャウ)の物と悦び」(出典:浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)四)

きゅう‐きょうキウキャウ【究竟】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① ( 形動 ) 事をきわめて、究極に達したところ。最高であること。また、そのさま。くきょう。
    1. [初出の実例]「源氏書籍者、紫明抄・水源抄。伊勢物語註者、経信卿知顕抄。究竟物候」(出典:新札往来(1367)上)
    2. 「究竟(キウキャウ)の幸福にいたらないなら」(出典:春と修羅(1924)〈宮沢賢治〉オホーツク挽歌)
  3. ② ( 副詞的に用いる ) つまるところ。結局。畢竟(ひっきょう)。
    1. [初出の実例]「其の目的は一掬の涼味を買はんとするに在り、涼味は水に在り、渠等は究竟水を買ひに行く也」(出典:春城随筆(1926)〈市島春城〉趣味談叢)
    2. [その他の文献]〔通俗編‐語辞・究竟〕
  4. ③ ⇒くきょう(究竟)・くっきょう(究竟)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「究竟」の意味・わかりやすい解説

究竟
くきょう
uttara

仏教用語。「より高い」の意から,究極を意味する。また,「事物を徹底的にきわめる」の意にも用いられる。また「絶対」の意。

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